日々の食卓に欠かせない卵。
過去に“物価の優等生”と呼ばれていましたが、価格の高止まりが続いています。
ショーケースに並ぶ甘いケーキ。
神奈川・川崎市のホテル内にある洋菓子店では、様々な種類のケーキを取りそろえています。
ふわふわのスポンジケーキに北海道産の生クリームとイチゴを2層にサンド。
これにイチゴなどを盛りつけ、できあがったのはパティシエこだわりのショートケーキです。
そのケーキ作りに欠かせない食材といえば卵。
川崎日航ホテル・パティシエ 小林由枝さん:
卵はスポンジに使ってます。1回仕込むのに2.3kgの卵を割って、それで20枚近くのこのサイズのスポンジを作る。
生地の主役“卵”の価格が上がっているといいます。
川崎日航ホテル・マーケティング室 片山知子副室長:
昨年の春ごろから徐々に(卵の価格が)上がってきてまして、昨年の春から今比較しますと、約5割は仕入れの金額が上がってます。
JA全農たまごによりますと、10月は17日までのMサイズの平均卸売価格が1kgあたり325円。
これは“エッグショック”と呼ばれた2023年4月、5月の価格に迫る高値となっています。
これからの季節が1年で最も需要が高まるというケーキ。
値上げの原因について、卵の仕入れ先からは次のように通知されたといいます。
川崎日航ホテル・マーケティング室 片山知子副室長:
原因としては、燃油の高騰と飼料の高騰。卵はもうほとんど生ケーキや焼き菓子に使われているので、なくてはならない存在ですね。
さらに、茨城県にある養鶏場を取材すると、2024年の鳥インフルエンザに加え、異例の猛暑も大きく関係しているといいます。
ホウトク農場・代表 豊村三弘さん:
昨シーズンの鳥インフルエンザで鳥が殺処分されてしまったのが大きいが、それに尾を引いて、この夏、猛暑が長く続いたので、だいぶ生産量が落ちているという面もあると思います。ニワトリは結構暑さには弱くて、人間と一緒で餌をなかなか食べれなくなってくるので、やっぱり必然的に生産量も減ってしまう。
異例の猛暑などで生産が落ち込んでいるという卵。
卵を巡る厳しい状況はしばらく続きそうです。