大阪府警の警察官2人が家宅捜索中に捜査対象の男性に暴行を加えた罪で逮捕・起訴された事件。
15日の初公判で2人は起訴内容を認め、「職務の範囲を越えてしまった」などと話した。

■大阪府警の警察官2人“家宅捜索中に捜査対象の男性に暴行加えた罪”問われる
15日午後、大阪地裁の法廷に立ったのは、大阪府警・捜査四課の警部補・時長力(ときなが・ちから)被告(51)と巡査部長・阪口裕介被告(33)。
記者リポート:事件は今年7月、大阪府警の警察官がこちらのレンタルオフィスを捜索した際に起きました。
時長被告と阪口被告はことし7月、風俗店のスカウトグループの拠点とみられるビルを家宅捜索中、捜査対象の男性に対し暴行を加えた特別公務員暴行陵虐罪に問われている。
起訴状によると、時長被告が当時その場にいた男性の顎を手で押し上げたりソファに押し倒したりし、阪口被告が腹や顔を複数回殴るなどしたという。

■“現場にいた別の捜査対象者の男性”「スマホの暗証番号教えるのを拒否して殴られた」
当時、現場にいた別の捜査対象の男性(20代)は自身も2人から暴行を受けたと訴えていて、スマートフォンの暗証番号を教えることを拒否したところ、殴られたと話す。
被害を訴える男性(20代):まず携帯だったりパソコンだったりを、警察官の方が何人か先に入ってきて、取り上げるような形で。押収というか。回収されて。
被害を訴える男性(20代):(暗証番号を言うのを)拒否した段階で、何も言わずに、『言え!言え!』みたいな感じで殴られました。胸、お腹を殴られたり。蹴られたり。顔の平手打ちだったり。あとは、足蹴られたりとかっていうところです。

■2人の逮捕により逮捕された4人が釈放 スカウトグループの実態解明ならず
(Q.その時、警察官は何か言っていた?)
被害を訴える男性(20代):『大阪府警なめるなよ』という文言だったり、『東京とは違うぞ、大阪は甘くないぞ』という発言がありました。
男性ら4人はその後、女性を性風俗店にあっせんした疑いで逮捕されましたが、時長被告らの逮捕によって釈放された。
家宅捜索の目的であったスカウトグループの実態解明はまだされていない。

■起訴内容をともに認めた2人 坂口被告「行為が職務の範囲を越えてしまった」
そして開かれた15日の初公判。
裁判長から起訴内容について間違いがないか聞かれたところ、時長被告は小さい声で「ありません」と認めた。
そして阪口被告は、大きな声ではっきりと「その通り間違いありません。私の行為は職務の範囲を越えてしまったと思います。今後この件については全て正直に話をしようと思います」と話し、同じく起訴内容を認めた。
次回の裁判はそれぞれ来月と再来月に行われる予定。
(関西テレビ「newsランナー」2025年10月15日放送)
