新潟県長岡市で個人創業した「長野商会」が前身で、工業用ゴムなどの販売を手がける東京都西東京市の長野ゴム工業が9月30日付で事業を停止したことが分かった。今後は破産を申し立てる予定だという。

民間の信用調査会社・東京商工リサーチ新潟支店によると、1954年12月、東京都台東区に設立された長野ゴム工業は、1939年に池上軍治氏が新潟県長岡市で工業用ゴムなどの販売業「長野商会」を個人創業したのが前身となっていて、2012年10月に解散した出資会社のエヌ・イーを金型部として統合。2017年7月に西東京市へ本社移転した。

大手グループ会社を主力得意先として受注基盤を構築し、最終納品先は国内主要自動車メーカーとなっていた。

1993年ごろには売上17億5000万円を計上していたが、低収益体質から内部留保の蓄積は遅々とし、2021年1月期には新型コロナ蔓延に伴う自動車メーカー休業などの影響から売上は8億8100万円まで減少。1700万円弱の赤字を強いられていた。

さらに、2024年1月期では先送りされていた不良在庫や不良債権の償却を特別損失として実施したことで最終的に5億7297万円の赤字を余儀なくされ、5億2500万円の債務超過に転落した。2025年1月期は売上9億4100万円とやや回復したが、収益は最終利益112万円で大幅な債務超過が続いていた。

この間、売上を上回る金融債務超過が重く圧し掛かり、資金繰りがついに限界に達し、今後についても事業立て直しが困難と判断したことから、今回の事態となった。
なお、事業所としては静岡工場および新潟工場を設置していた。

負債総額は約14億900万円に上っている。

NST新潟総合テレビ
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