人気店に密着するシリーズ企画「満席メシ」。
今回は、札幌シメパフェ文化をけん引するスイーツの人気店に密着した。

札幌のスイーツ人気店「パフェ佐藤」
丸井今井札幌本店の向かいに店を構える「パフェ佐藤」。スイーツ大国の北海道で異彩を放ち続ける、スイーツの超人気店だ。
「2016年に狸小路1丁目で創業し、2024年4月に現在の場所に移転しました」(パフェ佐藤/佐藤堂代表 小林仁志さん)

3フロアに分かれている店内の1階は、「佐藤堂」というピスタチオ菓子の専門店。

2階と3階は「パフェ佐藤」。
2階はオープンキッチンでカウンタースタイル、3階はプロジェクションマッピングが楽しめる空間になっていて、それぞれでパフェを楽しめる。

人気No.1メニュー「塩キャラメルとピスタチオ」
そんなパフェ佐藤の人気No.1メニューは…「塩キャラメルとピスタチオ カシスと林檎でさっぱりと」。
甘酸っぱいカシスムースとリンゴのジュレが、さっぱりとした後味に仕上がっているお店の看板パフェ。
「開店当初からの人気No.1商品です」(スイーツ開発担当 竹村美咲さん)
ソフトクリームが入っていたり、アーモンドのサクサクのチュイール(クッキー)が乗ってたりと、さまざまな食感や味の変化を楽しめる。

開店前の準備に密着
開店4時間前の午前9時から準備がスタート。
1階にあるキッチンでパフェや店頭販売するケーキなど、多い時で合わせて400食分仕込むという。
「佐藤堂」のケーキ製作は2人で、「パフェ佐藤」のパフェの仕込みは5人で行っているそう。
「手作りにこだわっています」(竹村さん)
また、スイーツだけではなくコーヒーにもこだわっていて、アイスコーヒー用の豆をドリップで抽出している。

パフェ用のフルーツをカットし始めた、スイーツ開発担当の竹村さん。
「1日に使うのがすごい量なので、きっと普通の人が一生分くらいかけてむくくらいのオレンジをむいていると思います」(竹村さん)
この日は、よく出るという夏メニュー用のメロンやドラゴンフルーツなどを多めに準備していた。

ついに開店!満席店のヒミツとは
13時、いよいよ開店!
続々と入店するお客さんの着席後の動きに注目だ。ここに、満席店ならではのヒミツが―。
スマホで紙のようなものを読み取っているが…こちらのお店はモバイルオーダーを導入。
スタッフも毎回注文を取って伝達するという手間が省けている。

早速、1組目のオーダーが。
フルーツやジュレ、ソルベなどで何層にもなるパフェは見た目も大事にしていて、繊細なトッピングも多いことから、早くかつ丁寧に盛り付けしていく。

写真を撮ったり映えを意識する人が多い店内。男性3人で来店したお客さんに話を聞くと―。
「昼はスープカレーに行ったんです、そのあとどうするって話になって。札幌ならではの文化で夜パフェっていうのがあって、昼にやっているお店1軒だけ見つけたから、ここに行こうかっていう話になって」(男性客)

そんな男性客のうちの1人が食べていたのは、爽やかな夏をイメージした限定メニュー「芒果(マンゴー)とすもも 爽やかな香りのラムネを添えて」。
白ぶどうやグレープフルーツなどをさまざまな調理法で仕上げ、上品な甘さと芳醇な香りを演出。
そして最大の特徴が、細い線のラムネのトッピングだ。
「ラムネが飾りのメインになってくるので、みんな頑張って作っています」(スイーツ開発担当 竹村さん)

この日の売り上げTOP3は―
時刻は16時を過ぎ、客足は緩やかに。
しかし、パフェ佐藤の本気はここからだった…。
開店から8時間経過した21時。お店の外には、行列が!

1軒目の夕食を終え、2軒目をめがけてくる人が多いとのことで、21時台から混み合うという結果に。
さらに、この日の売り上げを見てみると、上位2品が圧倒的な人気!
そして、3位の「プリンと夏の果物 懐かしのプリン・ア・ラ・モード仕立て」も密かな人気があるという。

なつかしさ香る「プリンと夏の果物」は、プリン・ア・ラ・モードをイメージしたパフェ。
「見た目のバランスが難しく、フルーツをもりもりにしたいけど、ただ乗せるだけではダメで…」(竹村さん)
中にオレンジをジャムとして入れるなど、工夫が凝らされた一品だ。

「シメパフェ」文化の原点
密着する中で、お客さんがよく口にしていた言葉があった。
「“シメパフェ”食べてみたいよねって」「“シメパフェ”が有名なのを知っていたので」「“シメパフェ”っていう文化があるのを知って」(いずれもお客さん)
今でこそ浸透してきた「シメパフェ」という言葉。実は、発祥はこのお店からだった。

「2015年に『シメパフェ』という言葉を作って普及活動をしていた。そもそも札幌って、甘いものを夜に食べるという食文化がにわかに広がっていて。2017年ぐらいには“シメパフェ”みたいなユニークな食文化に気づき始めた」
「北海道外の方もそれを楽しみに旅行に来ていただいたりとかすることで、現在はある程度定着したのではないかなと」(いずれも小林さん)
「パフェ佐藤」に密着してみたら、シメパフェ文化をけん引する満席のヒミツを知ることができた。
