現存12天守の1つで、「天空の山城」として知られる高梁市の備中松山城周辺では雲海が楽しめるシーズンを迎えています。AIで雲海の出現を予想する「雲海AI予報」の週間予報が始まりました。

「雲海AI予報」は、岡山理科大学(岡山市)生物地球学部の大橋唯太教授(局地気象学)の研究室が、備中松山城周辺と広島県の三次盆地で行っているものです。気象庁の風速・気温などの予測データと、現地のカメラ画像をAIで処理し、「雲海」の発生確率を予測するもので、2023年度から始めています。

「雲海」の発生確率について、これまでは翌日のみの予報でしたが、過去のデータの蓄積を生かし、AIのプログラムの改良などで1週間分の週間予報を出すことが可能となり、10月1日から運用が始まりました。

この予報は「雲海AI予報システム」HP( https://unkai.daynight.jp/contents.html )、またはQRコード(画像)を読み取ると確認することができます。当日を含む1週間の発生確率のほか、「雲海が発生しない場合の雲」、「雲海が広がっても「天空の山城」にならない場合の雲」などの見方がわかりやすく解説されています。

備中松山城周辺では、昼と夜との寒暖差が大きくなる10月から12月上旬ごろまでが「いい状態の雲海の見頃」とされ、毎年多くの観光客が訪れています。

予報の発表は地元の高梁市とともに行っていて、市はホームページを通じて、備中松山城周辺の雲海をPRするとともに、この予報の利用を呼びかけています。

大橋教授は「週間予報を利用することで、観光客が旅行プランを立てやすくなる。地域の自治体も発生に合わせて(観光客向けに)移動カフェなどを実施することも可能になる。大いに活用してほしい」と話しています。

岡山放送
岡山放送

岡山・香川の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。