10月から「Live News イット!」は1時間拡大して3時間15分番組になりました。16時台に新しくスタートしたコーナー『ヨリドリ編集部』では、暮らしにまつわるニュースや生活術、エンタメをお届けしています。

コロナ禍で「主婦湿疹」に悩む人が増えている

『ヨリドリ編集部』のプレゼンテーションを担当する中で気になったのが、10月6日放送「主婦湿疹」について。私自身手の皮が剥けて何をしても長期間治らず「毎日手を使っているから仕方がない」と諦めていた時期がありました。あれ、主婦湿疹だったんだ・・・と腑に落ちると共に、このネーミングにざわざわと違和感を覚えたのも正直なところです。名前からして、”家の仕事=女性のもの”に聞こえると思うのは私の考え過ぎなのでしょうか・・・。

さて、主婦湿疹(手湿疹)とはその名の通り主婦をはじめ、美容師や理容師、調理師など毎日頻繁に水仕事を行う人にみられる、炎症や湿疹・かゆみや痛みを伴う強い手荒れの症状を指すもので、正式な医学用語ではないものの、コロナ禍での手指消毒やテレワークに伴う家事増加で皮膚科を受診する人が増えているのだそうです。

街頭インタビューより「主婦湿疹」に悩む人が見せてくれた手荒れ
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番組内でも取材に応えてくださった”やさしい美容皮膚科・皮フ科秋葉原院院長”宇井千穂医師に、放送後改めてお話を伺いました。

宇井医師によると、これまでアトピー等で受診される方が手のトラブルを相談する方が多かったのが、今はそういった既往がなくても”手湿疹”のみで受診する女性が増えているといいます。

対処法はとにかく「保湿」

生活の中でできる対処法としてはとにもかくにも「保湿」が鍵になります。手洗いや消毒のたびに保湿をし、夜寝るときは保湿後シルクや綿などの手袋をするのも有効だそう。

ただ、これまでにもしばしば手荒れに悩まされてきたという加藤綾子キャスターが放送後にぽつり、「最近は消毒の頻度も上がっているせいか、どれだけ保湿しても追いつかなくなってきているんですよね」と。

宇井医師にその点も教えていただきました。

ーー生活の中で素手で触れる洗剤を見直すなど他にできることはあるのでしょうか?

宇井医師:
一番の防御法は「保湿」です。もちろん他に考えられる事例があれば試すのは良いとは思いますが、その前に最大の防御である保湿の仕方を見直す方がいいと考えます。保湿と一口にいっても、保湿力の小さなものから挙げてみても大まかに水(ローション)、泡、クリーム、ジェル、軟膏などがあります。手湿疹の場合もクリーム状のものを使用している方が多く見受けられますが、そうであればもう少し保湿力の強い軟膏(白色ワセリンやプロペト)を試してみてはいかがでしょう。

ーーそして悩ましいのは、家事には休みもなければ終わりがないことですね。

宇井医師:
医学的には何か原因があればそれを全て取り除くのが最初にすべき効果のある治療です。水仕事でかぶれるのが分かればその回数を減らすという単純なことができればいいのですが、それができないのが手湿疹の最大の敵なのです。

コロナ禍で増えた家事・育児負担は女性に偏る傾向

実際に5月に野村総合研究所が発表した小学生の子どものいる男女を対象にしたアンケート調査によっても、男女ともに家事育児に費やす時間は「2時間以上増えた」27%、「増えた」は42%で、合計7割が負担増。

野村総合研究所「新型コロナウイルス感染拡大による生活の変化に関するアンケート」より

そして家事育児が増えた分どうやって時間を捻出したかについては、「パートナーが時間を増やした」と回答したのが男性31%、女性は10%で、女性側に負担が偏っているのがわかります。

女性の時間の捻出の仕方については「余暇の時間を削った」78%、「入浴・睡眠等の生活に必要な時間を削った」も31%に上ります。

増えた家事・育児時間の捻出方法

自粛期間を経た今でも家事育児負担の偏りが大幅に改善しているとは考え難く、7月末に決定された2020年版の男女共同参画白書でも、共働き家庭は増加しているものの妻が家事育児に充てる時間は夫の2倍超であり、「男性の参画が必要である」と指摘しています。

「家族のため」という思いから

ーー手湿疹の改善のためには家族の協力があるのが望ましいのでしょうが、その点はいかがでしょう?

宇井医師:
実際に受診される女性から話を聞くと「家族のため」という思いを感じます。赤ちゃんや小さいお子さんのいるご家庭では子ども達を守りたいから必要以上に手を洗う、家事も家族に手伝ってもらいたいけれど結局自分でやる方が早い、手の心配はさておき自分が動くといった思いなのでしょう。

「なぜ私ばかりがこんなに大変なの?」

数年前までは我が家でも何度飛び交ってたこの言葉も(笑)、視点を変えてみると男性の長時間労働や「男性が家庭の経済的支柱であるべき」社会の固定観念に起因するものでもあると気づいてからは、夫との対話も家庭の役割分担も随分変化しました。

家庭に対する意識の変化

最後にひとつ希望を見出すとすれば、上述の野村総研の調査によってもコロナ禍で男性・女性共に家事育児の平等な負担意識は高まっていることです。夫婦ともに在宅の時間が増えテレワーク等働き方の価値観が見直されていく中で、男性にとっても家族への関わりが増えるような働き方ができたことはひとつのチャンスで、一過性の変化で終わらないよう社会全体で注視していく必要があると感じています。

いつか「主婦湿疹」というネーミングが誰にとっても「家事湿疹」「水仕事湿疹」に変わるように。

「家族のためと」という思いから必要以上に手を洗い指の間にも手湿疹

【執筆:フジテレビアナウンサー 佐々木恭子】