SNSで有名人になりすまし投資をもちかける、いわゆる「なりすまし詐欺」が横行しています。
TNCの赤木希アナウンサーも、そのターゲットにされていました。
福岡市議会議員の富永周行さんのもとに9月、インスタグラムのフォロワーから驚きの連絡が来ました。
◆富永周行 福岡市議
「偽アカウントのスクリーンショットと、DM(ダイレクトメッセージ)を送ってもらって、『これ、“なりすまし”だよね?』と」
Q.それを見て、どう思った?
「驚きと怒りと、気味悪さですね」
富永さん本人のインスタグラムアカウントとなりすましアカウント、見比べてみても顔写真や紹介文はそのままで、投稿している写真も同じです。
ところが、よく目をこらすと…
◆福岡市 富永周行 市議
「アカウント名を見たらtominagaじゃなくてtominogaになっていたんですよ」
Q.aであるところがoになっているんですね?
「そうです」
Q.16人のフォロワーの中には、実際の知り合いも?
「もともと僕のフォロワーに対しておそらく友達申請を送られていたので、僕が新しくアカウントを作り直したと勘違いしてフォローしていた方が多かった」
本人のものだとだまされてフォローすると、すぐさま、あるメッセージが届いたといいます。
<偽アカウントから届いたメッセージ>
「減税、円安、年金問題、株価の変動など」
「今こそ知識を付ける時期です」
「『+1』と返信していただければ、招待させていただきます!」
投資について学べるというLINEグループへの勧誘でした。
富永さんは偽アカウントをフォローしていた人たちに「なりすまし」であることを伝え、運営側にもアカウントの削除を要請しました。
◆富永周行 福岡市議
「偽物のアカウントがなくなるまで2週間近くかかった。他の友人も『なりすまし』というのを申請してくれて、何人かが報告しないと消えないような仕組みになっているみたい」
富永さんによると、ほかにも福岡市議会では議員7人が同様のなりすまし被害にあっています。
福岡県の服部知事も偽アカウントに注意するよう呼びかけています。
ほかにも犯人たちが「なりすまし」のターゲットにしているのがテレビ局のアナウンサーです。
◆TNC赤木希アナウンサー
「私のアカウントのユーザー名のところは、『nozomi.akagi』なんですけど、これは、『nozomi』のあとにもうひとつ『i』が…」
TNC「記者のチカラ」に出演する赤木希アナウンサーもそのひとり。
この夏、インスタグラムで「なりすまし」が見つかりました。
◆TNC赤木アナウンサー
「DM(ダイレクトメッセージ)が偽アカウントから送られてきて、投資を持ちかけられたと(聞いた)。怖いですし、何かトラブルに巻き込まれるのではないかと」
またTNC松尾幸一郎アナウンサーの偽アカウントは、アカウント名の点の位置をずらしたものでした。
本人だと信じたフォロワーがメッセージのやりとりをしていました。
<実際のやりとり>
◆本人だと信じたフォロワー
「なんか、よろよそしいね~久々やけんかな?」
◆偽アカウント
「(絵文字)」
◆本人だと信じたフォロワー
「お前だれや!!!」
◆偽アカウント
「『+1』と返信いただければ、ご招待させていただきます」
◆本人だと信じたフォロワー
「お前だれや!」
◆偽アカウント
「松尾幸一郎」
ほかのTNCのアナウンサーも偽アカウントの被害にあっていて、同様の被害が全国のテレビ局で相次いでいます。
◆赤木アナウンサー
「7月ごろに一気に偽アカウントの注意喚起をする(アナウンサーの)が増えて、『こんなことが起きているんだ』と思っていた矢先に自分もだったので、集中的に狙われている…」
地方議員にアナウンサーと広がりを見せる「なりすまし」。
専門家は、狙われるアカウントが変化していると話します。
◆成蹊大学 高橋暁子 客員教授
「地方の警察署のアカウントもなりすまされました。(地元の)会社の社長などもけっこう狙われていて、有名で信頼感は高いけれども、フォロワーはそれほど多くはないので『なりすまし』しやすい。身近で親近感を感じるような人なので『連絡をくれるかもしれない』と思わせる」
巧妙化する「なりすまし」の実態。
安易な金銭のやりとりには注意が必要です。