クマの出没件数が過去最多となり、人身被害が相次ぐ中、新潟県は10月6日、『クマ出没特別警報』を発表しました。
【鳥獣被害対策支援センター 小根沢元浩 所長】
「命を守る行動をとっていただくため、警戒段階を引き上げ、クマ出没特別警報を発表する」
県は10月11日からの3連休を控え、山へ出かける人も増えることが予想されることから、これまで出していた『クマ出没警戒警報』を最も高い段階の『クマ出没特別警報』に引き上げました。
今年4月から9月までのクマの出没件数は1232件。9人が人身被害にあっていて、いずれも過去最多となっている県内。
10月4日には妙高市の山あいの道路でランニングをしていた男性がクマ2頭に襲われ重傷を負っています。
【鳥獣被害対策支援センター 小根沢元浩 所長】
「山奥にエサがないから人里に近いところに来る。今年は目撃件数が非常に増えているのだと思う」
今年はクマのエサとなるブナの実が例年以上に凶作となっていることから、エサを求め人里に降りるクマが増える傾向にあるといいます。
9月30日には村上市でクマに住宅に侵入したケースもありましたが、専門家は「今年はエサを求めるクマが住宅などに侵入する危険性が高まっている」と指摘。
【長岡技術科学大学 山本麻希 准教授】
「窓ガラスを破って家の中に入るとか、例えば畜舎を壊して入るとか、そのくらいクマの圧がかかってくると思う」
住宅の周辺に生ゴミなどエサとなるものを置かないなど、最大限の対策が必要になると呼びかけます。
【長岡技術科学大学 山本麻希 准教授】
「中山間地域にお住まいの方は、鍵が閉められるところはしっかり閉める。エサになるようなものは家の脇ではなくて、家の中のできるだけ、においのもれないところまでしまうとか、かなり配慮が必要かなと思っている」
県は冬眠前の11月末までを警戒強化期間として、クマの目撃情報をこまめに確認しながらクマのいるところには近づかないなど警戒を呼びかけています。