岩手県盛岡市に10月、災害時に被災地へ駆けつけることができる「走る理容店」が開業しました。
若手の理容師が災害対応力を兼ね備えた新たな理容店の形を発案しました。
10月1日、盛岡市東安庭に男性専用の理容店「&Cave」がオープンしました。
トレーラーハウス型の「&Cave」は車でけん引し移動できる「走る理容店」です。
災害時には被災地へと移動しボランティアとして避難生活をする人などの散髪をすることが想定されています。
盛岡市出身で「&Cave」の代表十文字秋海さん(26)は、東日本大震災のほか、秋田県の理容店に勤務していた2023年、豪雨災害を経験したことから被災地で活躍できる移動式の理容店を思いついたと言います。
&Cave代表 十文字秋海さん
「避難生活が長くなると日常が非日常になると思う。そういうときに箱で移動をして、日常の要素を床屋で味わってもらえたら」
アメリカのビンテージ感漂う「バーバー」を意識したという店内は、照明がなくても陽の光を取り込んでカットができるよう大きな窓が取り付けられ、災害時に備えたつくりとなっています。
東北の理容師が技術を競う大会では、男性向けのカット部門で過去に2連覇を果たすなど確かな技術も兼ね備える十文字さん。
3日は前の理容店時代から担当していたという秋田県の専門学生が店に訪れていました。
理容師として新たな一歩を踏み出した十文字さんは、「&Cave」をあらゆる場面において利用客の安らげる場所にしたいと話します。
&Cave代表 十文字秋海さん
「理容の技術を提供するというのが自分でもやりがいを感じるし、技術を通して寄り添うことができたらいいと思う」
若手の理容師が発案した「走る理容店」。
災害対応力を併せ持った新たなスタイルが理容業界のさらなる可能性を示しています。