“10年に一度クラス”の暑さが続く中、季節が進まないことで、暮らしには“異変”が出ている。
「夏物が出て来ない…」11月にずれ込みか
長引く暑さによる“異変”が出ているのは、福井・坂井市に本社を置く「黒川クリーニング社」。野村和弘生産本部長は「正直、夏物が出て来ない状況が続いている」という。
秋へと衣替えが思うように進んでいないというのだ。
長年の経験では、最高気温が20度を下回る日が続くようになると、夏物が一気にクリーニングに出てくるというが…
現時点でクリーニングに出された衣類を見せてもらうと「ポロシャツなど…夏物ですね…」
そう話す野村本部長も―「(衣替えは)まだしていないです」

「衣替えしなくてよかった」
街頭で衣替えについて聞くと―
「まだしていない。思ったより暑い」
「衣替えしてなくてよかった」
「子供が汗びっしょり。長袖出したけど、きょうは暑くて…」
一様に、暑さのあまり衣替えに至っていないという声が聞かれた。
夏から秋の変わり目は、夏物とこれから出番のセーターやコートなど、秋冬物のクリーニングの需要が増える時期。
だた、「近年は冬物を着る前にクリーニングに出す人が増えていて、それが11月。夏物の片付けと重なって11月が大変忙しくなるのではないか」と野村本部長。

気温が下がらず栗のイガが開かず
残暑による“異変”は、秋の味覚にも。
栗拾い体験ができるあわら市の朝倉梨栗園では、晩生の品種「丹波栗」を約200本を育てている。
厳しい残暑の影響で、オープンは例年より10日遅れの5日になった。

クリは、覆うイガが開いて地面に落ちたものを収穫するが―
「晩生の栗は夜の最低気温が下がらないと開かない。1週間ほど前から熱帯夜の25度から下がって20度近くになってきたのでやっと開き始めた」(朝倉哲哉さん)
クリは他の果樹より暑さはに強いものの、記録的な暑さの影響で色付きやイガが開くのが例年より1週間から10日ほど遅れているいう。

出来については「台風の影響も全くなかったので実のつきは十分。作柄的には今年はどちらかというと良い方。やっと開園できるのはとても嬉しい」と話す。
栗拾いができるのは10月5日から16日頃まで。“短い秋”を楽しむのも良さそうだ。