佐賀県警科捜研のDNA鑑定不正問題で、警察庁は佐賀県警への「特別監察」を実施する方針を発表。これに対し佐賀県弁護士会は「第三者性を欠き、内部調査で終わらせる理屈を練っているだけだ」と厳しく批判した。

「佐賀県警に必要な指導監督を行う」

佐賀県警の科捜研職員が7年間にわたり130件にのぼる不正なDNA鑑定を行っていた問題で、警察庁の楠芳伸長官は10月2日、次のように述べ、10月8日から佐賀県警に対し特別監察を実施する方針を示した。

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警察庁 楠芳伸長官:
佐賀県警察からは確認の結果、今回の不適切な取り扱いによって捜査・公判に対する影響はなかったというふうに報告は受けておりますが、DNA型鑑定に対する国民の信頼を損なうものであり警察庁として重く受け止めております

特別監察は、DNA型鑑定の実施体制やその実施状況に加え、今回の不適切事案の原因究明、それを踏まえた再発防止策について担当職員など10人程度を派遣し行う予定だ。

警察庁 楠芳伸長官:
この特別監察を通じまして佐賀県警察に対して必要な指導監督を行なってまいりたいというふうに考えております

「内部調査の一つに過ぎない」

一方、警察庁が来週から特別監察を実施することについて佐賀県弁護士会は、「第三者性を欠き、内部調査で終わらせる理屈を練っているだけだ」と厳しく批判した。

佐賀県弁護士会 出口聡一郎会長:
これでは公安委員会同様、むしろもっと第三者性、公平性、中立性を欠くということが言える。内部調査で逃げ切れると、そう思っている。内部調査で終わらせるための理屈をいろいろ練っているだけだ

10月2日、緊急会見を開いた佐賀県弁護士会の出口会長は、このように述べ、警察庁が行う特別監察について、内部調査の一つに過ぎないとの認識を示し、警察の調査のあり方を批判した。

第三者調査求める県議会への対応は?

警察庁は今回の特別監察の結果を踏まえながら今後、他の都道府県警察の科学捜査研究所についても順次監察を実施することにしている。

警察庁からの特別監察が実施されることを受け、佐賀県警の福田本部長は、「真摯かつ適切に対応し、その結果については県民の皆様にご説明する考えです」というコメントを発表した。

この問題では、佐賀県議会が県警に対し「第三者による調査」を求める決議案を全会一致で可決した。
“外部”の声を警察がどのように受け止め、今後対応していくのか注目される。

サガテレビ
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