民間の信用調査会社・帝国データバンクによりますと、長野県下諏訪町の「キタハラカメラ」と関係会社の「ケイマックス」が、9月17日に長野地裁諏訪支部より破産手続き開始決定を受けたということです。
「キタハラカメラ」は1926年創業、1956年に法人改組されたカメラの小売業者です。カメラやレンズなどの写真機材の小売を行うほか、写真撮影やフィルムカメラのフィルム現像、焼き付け、引き伸ばしなどプリントサービスを手掛け、長野県伊那市や松本市、岐阜県多治見市などに多店舗展開を図っていました。バブル経済崩壊後は売り上げが減少したことから一部支店を閉め、薄利だったカメラの小売事業を補うため、利幅の厚いプリントサービスや写真撮影に力を入れ、1997年3月期には年売上高約2億3100万円を計上していました。
しかし、デジタルカメラやスマートフォンの普及でプリントサービスの受注が減少したことに加え、大手量販店や家電品との競合、スマートフォンの普及でカメラの販売売り上げも低迷し、2025年3月期の年売上高は約200万円に落ち込んでいました。収益面も悪化し、過年度の設備投資負担もあって資金繰りはひっ迫、先行きの見通しが立たず、事業の継続を断念したということです。
「ケイマックス」は1997年に設立された写真の撮影業者です。主に乳児を対象とした写真撮影を行っていましたが、「キタハラカメラ」と同様にスマートフォンの普及で売り上げは低迷していました。
負債は「キタハラカメラ」が約8200万円、「ケイマックス」が約500万円で、2社合計で約8700万円だということです。