ふるさと納税の返礼品の調達に違反があったとして、国は、総社市の指定を2年間取り消すことを決めました。総社市は決定を受け入れるとする一方、国の制度の運用について異論を唱えました。
(村上誠一郎総務相)
「地方税法に基づき指定を取り消すことにした。指定取り消しが相次いでいることはふるさと納税制度に対して信頼を損ねかねないもので、大変遺憾」
村上総務大臣が9月26日朝の会見で、9月30日から2年間、総社市など全国で4つの自治体の指定を取り消すと発表しました。
決定によりますと、総社市は返礼品のコメの調達を公社に依頼。コメの価格が高騰する中、公社は市から補填してもらいながら60キロ当たり約2万7000円で調達しました。6万円の寄付に対してコメの調達額の割合は、結果的に46.4%となりました。これが、法律が定める上限を3割とする基準に違反することになりました。
指定取り消しの決定を受け、総社市の片岡市長が会見を開きました。
(総社市 片岡聡一市長)
「寄付をした人、返礼品の提供事業者、総社市民に迷惑と心配をかけおわびする」
2年間、制度を活用できず、財源確保への影響が懸念されますが、市は決定を受け止め信頼回復につなげるとしました。
一方、物価が高騰する中でも基準の順守を求める国に対し異論を唱えました。
(総社市 片岡聡一市長)
「様々なものが物価高騰で値上がりし、この制度を本当に続けていくのであれば多くの自治体が困惑すると思う」
改めて、まとめました。国は自治体の間で過度な競争を防ぐため、返礼品の調達額の上限を寄付額の3割と定めていて、総社市が違反しました。違反の背景には物価高騰がありますが、国は、そうした価格変動は理由にならないとしています。
岡山県内では吉備中央町も同じ違反で2025年6月に指定の取り消しを受けました。経済環境の変化により違反が相次ぐ中、国と自治体の間で建設的な議論が求められます。