世界の酒の出来を競う品評会の価格と品質のバランスを審査する部門で、秋田県大館市の酒蔵の商品がチャンピオンに輝きました。今シーズンの酒造りが始まるとともにうれしい知らせが届き、仕込み作業に一層力が入っています。

9月9日、イギリス・ロンドンで酒の出来を競う世界大会インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)が開かれ、日本酒部門には5つの国の387の酒蔵から1476銘柄が出品されました。

その中の一つが、大館市の北鹿が手がける「華秋田」です。

いわゆるコストパフォーマンスを競う「グレート・バリュー」の部門でチャンピオンに選出されました。

北鹿・岩谷正人社長:
「こんな立派な賞をもらえるとはびっくりしている。受賞した日はたまたま出張だったが、色々なところからお祝いのメッセージをもらい、非常にうれしかった」

グレート・バリューの部門は、四合瓶のサイズで国内の販売価格が1500円以下、年間製造量が10万本以上であることが条件で、品質と価格のバランスが最も優れた酒が選ばれます。

2021年に発売された「華秋田」は、コメのうまみがありながらも、華やかでフルーティーな香りが特徴。酒米ではなく県産の「あきたこまち」や「めんこいな」を使用することでコストを抑えた商品で、「気軽に晩酌を楽しんでほしい」という思いが込められています。

北鹿の杜氏・小松原智昭さん:
「どういう酒を造ったら普段家庭での晩酌で、笑顔で飲んでもらえるかをイメージしながら造っている」

北鹿はすでに中国・韓国・ドイツ・フランスなど世界20カ国以上に日本酒を出荷していますが、今回の受賞を追い風にさらなる販路拡大を目指します。

北鹿・岩谷正人社長:
「これから海外を目指す蔵元は増えていくと思う。そういった意味で日本酒が世界に対するPRになっていくと思うので、前向きにこれからも酒造りに取り組んでいきたい」

いまは今シーズンの酒造りが始まったばかり。作業場ではコメを蒸す作業や、日本酒の核となる酒母づくりに追われています。作業開始とともにうれしい知らせが届き、仕込みに一層力が入ります。

北鹿の杜氏・小松原智昭さん:
「今回の受賞にかかわらず、喜んでもらえる気持ちを考えながら、飲みやすい酒を目指していきたい」

多くの人に手軽に楽しんでもらいたい。「華秋田」は日常の中に特別なひとときを届け続けます。

秋田テレビ
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