土地取引などの指標となる基準地価が16日発表された。
大阪では住宅地・商業地ともに急上昇しているが、最も上がったのは「浪速区」。
その理由は、最近急速に増えている「民泊」だ。
営業日数などの規制が緩和された「特区民泊」を巡っては、騒音やごみ捨てのトラブルが生じて問題となっていて、近隣住民から困惑の声があがっている。

■なぜ?浪速区の地価「商業地21.4%」「住宅地9.9%」の急上昇
16日発表された、土地取引などの際の指標となる「基準地価」。
大阪府内では、商業地はプラス7.9%住宅地がプラス2.7%で、どちらも4年連続の上昇となった。
中でも前の年からの上昇率が最も高かったのは…。
記者リポート:去年から大きく地価が上昇したこの場所、大阪の浪速区なんです。
浪速区の基準値では、前の年より商業地が21.4%、住宅地が9.9%上昇している。

■街を歩くと見えてきた事情…「ゴミ分別して」看板も
なぜ、いま浪速区の地価が上がっているのか。
浪速区内の事情に詳しい不動産業者に案内してもらった。
サミット不動産・杉浦正彦さん:非常にわかりやすいでしょ。
記者:そうですね。ゴミ分別してくださいとか看板が…。

■観光地隣接の「浪速区ならでは」の理由 民泊急増が地価上昇もたらしたか
観光地のミナミに隣接している浪速区。
外国人観光客の需要の高まりで、近年急速に増えている「民泊」が、地価が上がった要因の一つだと指摘する。
サミット不動産・杉浦正彦さん:人がだんだんいなくなって事業が衰退したエリアが、浪速区西成区に多いという印象がある。そこに民泊の需要が入ってきた。
浪速区で特に多いのは、マンション型の民泊。
使われていない土地などを安く購入して、マンション型の民泊を建設するケースも増えているという。

■民泊増加で、騒音などトラブル相次ぐ…
サミット不動産・杉浦正彦さん:(通常の)マンションにするより民泊にした方が収益率が高いので、こういった形のマンションが増えている。
一方で、特に営業日数などの規制が緩和された「特区民泊」を巡っては、騒音などのトラブルが相次ぎ、大阪市が対応に乗り出す事態となっている。
サミット不動産・杉浦正彦さん:投資をしたい投資家の人たちと、地域の住民さんは相反する感情を持っているので、そこが将来的にもっと摩擦を生むのは考えられるかもしれないですね。

■「手放しで喜べない」と困惑する住民
住民からも手放しで喜べないという声があがっている。
浪速区に住む人は:土地持ってる人はいいんやろうけど、よその国の人が買いに来られても困るしね。
大阪市では今後、特区民泊の新規受け付けの停止も含めて、検討を進めることにしている。
(関西テレビ「newsランナー」2025年9月16日放送)
