街中がステージに 音楽の祭典が9月13日開幕

杜の都・仙台の街を舞台に、音楽があふれる2日間。
東北最大級の市民音楽イベント「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」が、9月13日(土)と14日(日)の2日間にわたって開催される。
1991年に始まったこのフェスティバルは、今年で34回目を迎える。スタート当初はわずか25グループ150人の参加だったが、今やその規模は飛躍的に拡大。去年は全国から635グループ約4375人が参加し、2日間で延べ70万人を動員した。
今年はそれをさらに上回るおよそ700組が出演予定で、コロナ禍前の2019年の水準に迫る規模となる。音楽の熱気はさらに高まりそうだ。
テーマは「OmniTune-音が踊る 街は歌う-」

今年のフェスのテーマは「OmniTune-音が踊る 街は歌う-」。実行委員会によると、全ての音楽を楽しむ市民が輝く場として、「Omni(すべての)」と「Tune(旋律)」という言葉で、ジャンルを越えた音楽の融合と多様性を表現したという。
実際に演奏されるジャンルは、ジャズコンボ、ゴスペル、ポップス、アコースティック、ソウル・R&B、フュージョン、ブルース、オールディーズ、ロック、スカ、ビッグバンド、クラシック、吹奏楽、民族音楽と多岐にわたる。
ジャンルにとらわれない、まさに「オールジャンルの音楽祭」として、自由で多様な表現が街を彩る。
ステージは41カ所に拡大 仙台の街が一体に

演奏の舞台となるのは、仙台市中心部に設けられた41カ所のステージ。勾当台公園や西公園、錦町公園、一番町四丁目商店街、ぶらんど~む一番町商店街、サンモール一番町商店街、仙台駅前など、街のあちこちが「野外ライブ会場」に変わる。
今年は新たに、青葉山公園内にある「仙臺緑彩館」なども初登場のステージに加わり、音楽の輪はさらに広がる。
去年初めてステージとなった仙台城跡(青葉城址)では、午後8時まで演奏が行われる。眼下に広がるライトアップされた仙台の夜景と音楽が幻想的なコラボレーションを織りなす。
また、企業とタイアップしたステージも展開されるなど、街全体がフェスティバル一色に染まる。
演奏は「走るステージ」でも

注目企画のひとつが、「まちのり『ジャズット』」の運行。宮城交通が運行する仙台都心循環バス・愛称「まちのり『チョコット』」が、今年はジャズフェスと特別コラボ。
ギターやキーボード、打楽器カホンなどを使い、フェス出演者が車内で生演奏を披露する「移動するステージ」が登場する。1日8便が市内を巡り、街を走るバスからも音楽が溢れ出す、まさに「音が躍る」企画だ。
市民の力で続く音楽祭 クラウドファンディングも実施

このフェスティバルは、市民ボランティアを中心に運営されており、資金の一部はクラウドファンディングでまかなわれている。出演者も観客も、そして地域の人々も、市民参加型で作り上げるフェスの姿勢は今年も健在だ。
開催時間は両日とも午前11時から午後8時まで。
コロナ渦を乗り越え、再びにぎわいを取り戻した仙台の街。
音楽を通して、都市の再生と希望を体感できる2日間になりそうだ。
仙台放送