佐賀・白石町で、取材班が約3カ月にわたり密着したのは、白い体に黒い羽、絶滅危惧種「コウノトリ」の繁殖です。

“幸せを運ぶ鳥”とも呼ばれるコウノトリですが、この日運んでいたのは木の枝。
子育て環境の整備に奮闘中です。

実は4月に一度、ひなが誕生していましたが、餌不足などが原因で全滅。
それでも諦めず、2025年2度目の産卵で3羽のひなが誕生し、子育て再挑戦です。

しかし、このひなを狙う天敵がいます。
それはカラスです。

4年前に初めて生まれたひなは全て、カラスに食べられてしまいました。

そこで、地元の有志などが立ち上がりました。

約10人が夜明けから日没まで交代で双眼鏡をのぞき続けたのです。

日本野鳥の会・宮原明幸さん:
(Q. カラスを見つけたらどうする?)どうしようもないから、巣の下まで走って大声を出します。だいたいそれで逃げてくれますので…。

その後、過酷な環境を生き抜いた2羽は、誕生から約2カ月で親鳥と同じ大きさに成長しました。

そして8月下旬、待ち望んだ時がついに訪れます。
巣立ちです。

九州でコウノトリが繁殖しているのは白石町だけ。
町は今後、名前を公募する予定です。