関東に最接近している台風15号について、関口奈美気象予報士と見ていきます。
台風の午後5時現在の位置ですが、千葉に最も近づいている状況が続いています。
中心付近の風が強まっているため風が強くなっているとみられます。
ただ、スピードが上がっているので、このあとは関東から離れていく見通しとなっています。
離れていても警戒が必要で、土砂災害警戒情報が千葉・神奈川に発表されています。
神奈川県の半島や千葉の南部で土壌流指数が高くなっていますので、雨のピークが過ぎたあとも土砂災害に警戒が必要です。
5日午後4時50分時点で神奈川・千葉・茨城・静岡に大雨警報が発表されています。
そして5日に線状降水帯発生情報が出された静岡では、突風とみられる被害も出ています。
午後1時45分、気象庁は静岡県の中部で竜巻とみられる突風が発生したと発表しました。
その突風の影響なのか、静岡・牧之原市では家屋の窓ガラスが割れるなど建物が倒壊しました。
さらに、大型のトレーラーが横転するなどの被害も出ています。
――かなり強い風が吹いていたと考えられる?
横転したということは40メートル以上は吹いていた可能性は十分にあり得ると思います。
9月は竜巻などの突風が最も多い月で、その原因としては台風関連という理由が多くなっていますので、十分に竜巻などの突風が考えられます。
引き続き風にも警戒してください。
氾濫などが心配される河川の様子も見ていきます。
まず、線状降水帯発生情報が出されている静岡・伊豆市ですが、修善寺を流れる狩野川の午後5時の様子では、かなり水位が上がっていることが分かります。
気象庁によりますと狩野川を流れる伊豆市付近では、午後2時半までの1時間に約110mmの猛烈な雨が降ったとみられます。
続いては、4日午後5時ごろの静岡・掛川市を流れる逆川の様子では、橋の橋脚の下側に草木があることが分かりますが、5日まで時間を早めていくと草木が見えなくなっています。
5日正午を過ぎますと水位がかなり上昇し、線状降水帯発生情報が出された前後に急激に水位が上昇したということです。
続いて、千葉・君津市の小糸川では通常時と比べて、川が大幅に増水しているのが分かります。
――雨がかなり降っていることが分かりますね。
短い時間に大雨となったため中小河川は一気に増水しますし、大きな川は中小河川の水が集まってきて遅れて増水するので、この後も気を付けていただきたです。また、この後1時間もすれば外も暗くなりますので、用水路などには近づかないようにお願いします。
24時間に降った雨の量ですが、関東も多くなっています。
神奈川・横浜など都市部でも非常に多くなっていて、9月平年の1カ月分と比べると半月以上が一気に短い時間で降った状況です。神奈川県内では9月、最も雨量が多くなったところもある状況です。
――雨量を見ても土砂災害に引き続き警戒していただきたいですね。
大雨のピークは過ぎつつありますが、土砂災害の危険はまだしばらく続きそうです。
――台風15号の影響はいつまで?
午後5時現在、雨は千葉中心ですが、あと1時間以内には抜けていくということで、大雨のピークはもう間もなく過ぎることになりそうです。
また、風が強まっていますが、風は北寄りに変わって千葉では強い状況が続きそうですので、特に数時間は気を付けていただきたいと思います。
――帰宅時間帯で注意すべきことは?
秋が進み日没が早いです。午後6時以降は一気に暗くなりますので、とにかく危険な場所には近づかないことが鉄則です。関東の大雨のピークは過ぎつつあるので、雨が「弱まった」「やんだな」というところが多くなってきますが、危険は続きますので、川や崖には近づかないことが一番大事なことかなと思います。
――気象庁のウェブサイトなどで情報を取りにいくことも大切ですね。
気象庁のウェブサイトを見ますと「キキクル」というページがあります。そこを見ると土砂災害や川の氾濫などの危険が一目瞭然で分かりますので、自分が住んでいる位置にどんな危険があるのか、崖の近くなのか、川の近くなのかを確認していただいて、その情報を気象庁のウェブサイトで確認しにいくという姿勢が大事です。
――台風が過ぎ去ったあとも注意すべき点は?
発達した雨雲は抜けつつありますが、南風が千葉の沿岸、もうしばらくは強い状況が続きそうです。吹き返しの風が強まることはなさそうですが、それでも千葉県の沿岸はそれなりに強い北風も吹いてくる予想です。中心が過ぎるまでが一番のピークですが、しばらくは沿岸では風が強い状況が続きますので、気を付けていただきたいと思います。
交通情報では、全線で遅れも出ていて、在来線は首都圏でも遅れが出ています。
また、高速道路の状況も通行止めの場所もありますので、これからご帰宅される人、やむを得ず移動されるという人も交通情報など、ご自身で最新情報を取っていただければと思います。
これから夜を迎えます。
夜間は冠水した道路や増水した河川など、周囲の状況が分かりづらく危険です。
くれぐれも近づかないようにしてください。