台風15号は、5日明け方から昼前にかけて四国に最も接近するとみられ、昼ごろには近畿地方に最も接近する見込みです。
また、徳島県では4日夕方から5日朝にかけて線状降水帯が発生するおそれがあるほか、和歌山県でも5日未明から昼前にかけて線状降水帯が発生するおそれがあり、大雨災害の危険性が高まる可能性があるということです。
気象予報士の片平敦さんが今後の進路を解説します。
(4日午後5時過ぎ時点での情報です)
■風速よりも雨量が心配な台風15号
【気象予報士 片平敦さん】「現在の位置ですが、宮崎県のすぐ東の沖合を北上しているというところなんです。黄色い円が台風の『強風域』。風速15メートル以上の風が吹くという、強い風が吹くエリアなんですが、九州の大半の地域と四国の西の方、高知県や愛媛県などがこの強風域の中に入ってきているという状況です。
台風の中心付近に、赤く表示する『暴風域』を書くことがありますが、今回はないので、風速25メートル以上の暴風が吹くような可能性は今のところありません。
しかし風がそれほど強くなくて、安心できるかというと、そんなことはなくて、むしろ雨は非常に心配という状況になっています。
この先、台風はこのまま北上を続けていくんですが、もしちょっと西寄りに進路をとると、宮崎県や鹿児島県、大分県、この辺に上陸してもおかしくないという状況、もういつ上陸してもおかしくないという状況です。
(白い)円は『予報円』といいますが、この円の中にバツ印で書いた台風の中心が『どこかに進みますよ』って意味合いなんです。
だから先の方に行くと円が大きくなっていくのは、台風が大きくなるわけじゃなくて、進路を絞り込めないから先になるほど大きくなるという、そういう図なんです。
それで、このまま進んでいくと、5日(金)には四国のどこかにかなり接近して上陸する可能性もあります。近畿地方にいつ一番近づくかというと、予報円が5日の朝9時、次の予報円が5日午後3時ですから、大体5日のお昼前後、この辺に台風の中心が近畿を一番近づいて通過していくという、そんな予想になっています」
■猛暑で海が”熱帯”に…ことしは日本周辺で台風が生まれやすい
【吉原キャスター】「結構、日本に近づいて台風なりましたよね」
【菊地幸夫弁護士】「昔はもっと南の方でできて、日本に近づいてくるにはしばらく時間があったんで。十分我々も備える心構えとか(あったが)、最近は近くでできて、もう来ましたっていう、びっくりしますね」
【気象予報師 片平敦さん】「先日もそういう台風があったんですけども、最近猛暑でめちゃめちゃ暑かったじゃないですか。空気の中に我々いますから、気温が高いのはイメージとしてあると思うんですが、同じような影響で海も温かいんです。
海が温かいってことは、いわば、いま日本の周りの海が『熱帯』みたいになっちゃって、台風の生まれるような気象状況、海の状況になってしまっていて、日本の近くでも割と台風が生まれやすくなってるという状況なんです。ことしの猛暑の影響というのが出てるのかなと思います。
雨雲の様子をご覧いただきますと、4日午後5時ごろも近畿地方の近くにも雨雲がかかってきているところです。台風の中心の雨雲の渦巻きを見ると、台風の中心は大体この辺ですから、実は台風の南側・後ろ側というよりも台風の北側・東側。台風の先の方に進行方向に雨雲がたくさんあるというのが台風15号の特徴なんですね。
台風から離れた場所でも大雨になる恐れがあります。本体の雨雲がもう間もなく、いま徳島にはかかってきてますけど、近畿にもかかってきそうなので、今夜から大雨に気をつけていただきたい状況です」
■徳島では線状降水帯のおそれも
【気象予報師 片平敦さん】「この後の予想では、暗くなってくる時間帯に近畿地方にも黄色や赤の表示(降水量が多いことを示す)、発達した雨雲がかかってきます。台風が5日お昼ぐらいに通過していった後なんですが、後ろの方は雨雲があまりないので、そのあと回復は比較的早いのかなという状況ではあります。
ただ、台風が近づくまでに線状降水帯が徳島では発生する恐れがあります。昼前にかけて、もしこれが発生してしまうと、大雨の危険性が急激に高くなります。
昼前にかけてということは夜中の時間帯にも発生しやすくなるので、そうなってくると、発生して逃げるにしても、外が暗いという危険な状況も考えられます。もし家の近くとか、ここはもし何かあったら危ないなとお考えの地域にお住まいの方は早めの備えをしておいていただきたいですね。
土砂災害や低い土地の浸水、川の増水、こういった危険性が家の近くにありそうだなという方は、早めに明るいうちに安全な場所に行っておく方が正しい賢明な選択なのかなという気もします。
■台風シーズンが1か月ずれこむおそれも
【俳優 大東駿介さん】「夏の気候がどんどん後ろに伸びてるっていうお話ありますけど、台風もこの先続きそうなんですかね」
【気象予報師 片平敦さん】「普通、9月が台風シーズンのイメージですけど、この台風、秋にやってくるパターンじゃなくて、夏のパターンです。そうすると、9月の台風シーズンがまた後ろに1ヶ月ずれ込んで10月とか、ことによると11月ぐらいまで、台風が強いものが来る可能性はことしはありますね。台風シーズンが長くなるかもしれないので、しっかりと備えをお願いしたいです」
(関西テレビ「newsランナー」2025年9月4日放送)