自民党の両院議員総会から丸一日経ち、石破首相の任期を待たずに前倒しで総裁選挙を求める動きはどう変化しているのでしょうか。
国会記者会館から、フジテレビ政治部・瀬島隆太郎記者が中継でお伝えします。
つい先ほど、自民党内に残る唯一の派閥・麻生派が横浜で研修会を開き、党の最高顧問を務める麻生氏が総裁選前倒しを要求すると明言しました。
自民・麻生最高顧問:
私自身、総裁選挙の前倒しを要求する書面に署名・提出すると決めております。
総裁選前倒しをめぐる情勢について、官邸関係者は「どちらに転がるかわからない」と漏らしていて、党内を取材すると前倒し要求派に勢いが出ている状況です。
カギを握るのは、3つの塊です。
一つ目は先ほどの「麻生派」で、トップの麻生氏が意思表明したことで麻生派では前倒しを求める議員が増え、7割に達する情勢です。
麻生氏は意思表明を、派閥議員の行動を縛るものではないとしていますが、首相周辺は麻生氏の動きについて「『俺の背中を見ろ』ということだ」「あまり動かない方がいいのに」と反発しています。
二つ目は、「副大臣・政務官」です。
フジテレビの取材では、前倒しを要求する副大臣・政務官が8人増え、合わせて16人に倍増しています。
閣僚の一部が同調する可能性もあり、官邸は神経をとがらせています。
三つ目は「ポスト石破」の候補者です。
高市氏、茂木氏、小林氏が前倒しを求める見通しで、3氏の支持者も連なって行動するものとみられます。
――対する石破首相の対抗策は?
首相周辺は、支持率上昇を糧に「一日一日を何とか乗り越える」と話す一方、官邸内では今も「衆議院解散論」が浮上していて、ある官邸関係者は3日朝、「8日よりも前に解散をうつパターンもある」と、強気のけん制をしています。
これに対し、党内からは「常軌を逸している」「大義がない」と反発する声もあります。
前倒し総裁選に「首相自身が出馬する」シナリオも取り沙汰されていますが、前倒しは事実上のリコールを意味するため、首相周辺は「在り方としてどうか」と慎重姿勢で、神経戦が続いています。