熊本県は8月の記録的大雨による農林水産関連の被害額がさらに増え、約400億円に上ることを明らかにした。中でも農業関連の被害が深刻で、熊本県は今後も被害額が増える可能性があるとしている。
農林水産関連の被害額は約400億円
これは9月2日の災害対策本部会議で明らかになったもので、一連の大雨による熊本県内の農林水産関連の被害額は先週の時点で約280億円としていたが、さらに115億円増えて395億円に上っていると報告された。

中でも農業・農地関連で被害額が膨らんでいて、野菜や果物、イグサなどの農作物被害が先週から2倍以上となる、約14億円に。機械や園芸施設の被害は約10倍となり36億円。農地の被害も70億円増えて174億円となっている。

熊本県では、片付けなどに一定の区切りがついたことで、被害を申告する農家が増えているのが要因として、農作物や農業施設の被害については、今後も被害額が増える可能性があるとしている。
畳表のイグサが「まさに存亡の危機」
今回の農業被害の中でも特に甚大な影響が出ているイグサについて、超党派の県議でつくる熊本県議会い業振興議員団が、9月2日に木村知事に支援を求めた。

熊本県によると、今回の大雨で生産量全国トップを誇る八代市を中心に、加工前のイグサや畳表などが浸水被害に遭い、これまでに169トン、約7366万円の被害が確認されている。また、これとは別に畳を織る機械など、約1000台も被害を受けているという。

要望書には収入が減少した農家への支援や、被災した機械の修理費用の支援などが盛り込まれていて、議員団の坂田孝志会長は、「イグサの産地として生き残れるのか、まさに存亡の危機だ」とし、「日本の伝統である畳文化を守ってほしい」と訴えた。

木村知事は「営農継続へきわめて大きな影響が出ている。国に対し支援の要望を伝えたが、県としての支援も行っていきたい」と述べた。
(テレビ熊本)