9月に入っても物価高騰の波が止まりません。
9月に値上げされる食品は1400品目を超え、9か月連続で前の年の同じ月を上回りました。
暮らしにどのような影響があるのでしょうか。
直撃する「食用油」値上げ― 名物店の苦悩
揚げ物や炒め物には欠かせない食用油。
業務用は9月から2割ほど値上げされます。
大きな鶏肉のから揚げ“ザンギ”が名物の人気店、札幌市中央区の「布袋」。
使用する食用油の量は月に1000リットル以上。
値上げは大打撃だといいます。
「3度揚げしているので、油の使用量も普通の飲食店の3倍。月2~3万円、年間25~30万円仕入れ値が高くなると想定している」(布袋総括店長 相馬歩さん)
看板メニューのザンギは1日約1300個売れるといいます。
小麦粉や鶏肉など材料費の高騰が続き、7月から一部メニューで値上げしました。
今回の食用油の値上げはダブルパンチですが、企業努力で価格は維持したいと考えています。
「ザンギに使っている卵も鶏肉も値上げされてる。油に関しては交換頻度が減らせて油の状態を保てる機械などもあるので、そういった設備投資も考えていかないと」(相馬さん)
業務用だけではなく、家庭用の食用油も例外ではありません。日清オイリオグループは11~18%値上げします。
札幌市北区のスーパー「マルコストアー本店」では。
「食用油などが、メーカーから9月出荷分からの値上げが発表されている。1個あたり約20~30円の値上げ幅になりそう。賞味期限が長いので大量に仕入れて、大きいサイズの油は価格を据え置こうと思う」(マルコストアー 山川悟史社長)
調味料・菓子類にも値上げの波
この他に、マヨネーズやソースなどの調味料も値上げが相次ぎます。
「キユーピーのマヨネーズが1本約20円の値上げが発表されている。猛暑で鶏が卵を産まない影響で、品不足となって値上げに」(山川社長)
さらに、煎餅などの菓子類も20~30円ほど値上げされます。
「米菓全般に去年のコメ高騰の影響が今になって出ている。今年もコメが高くなれば、米菓類が来年はさらに高くなると予想している」(山川社長)
民間の調査会社「帝国データバンク」によりますと、9月に値上げされる食品は1422品目。
値上げされる品目が前の年の同じ月を上回るのは9か月連続です。
「普段の食生活に必要で直結するものの値上げは、家計へのダメージが大きく厳しい」(山川社長)
追い打ちをかけるように、10月の食品の値上げは3000品目を超える見通しです。
「値上げしてほしくない。コメも何でも上がるので大変」
「揚げ物が好きなので結構、油を使う。値上げはしょうがない、いろいろな情勢があるので」(いずれも買い物客)
値上げラッシュは収まる気配がありません。
食料品だけではありません。
札幌市の各種証明書の交付手数料が、9月1日から変更されています。住民票の写しや印鑑登録証明書などの発行にかかる料金が、窓口とコンビニで変わります。
・窓口…350円→400円(50円の値上げ)
・コンビニ…250円→200円(50円の値下げ)
コンビニでは取得できない証明書もあり、手数料にも違いがあります。ご注意ください。