日本維新の会の石井議員に浮上しているのは、勤務実態のない人物を公設秘書として届け出て国からの給与を不正に受け取った疑いです。
今回、捜査のメスが入った公設秘書の給与不正受給について、フジテレビ・高田圭太政治部長と見ていきます。

過去の例を見ていくと、国会議員の秘書給与を巡っては、2000年代に詐欺事件というのが相次いでいます。

2000年には当時、民主党の山本譲司議員が女性の名義を借りて政策秘書を採用したように装って、秘書の給与合わせて2500万円余りをだまし取っていたとして逮捕されています。

そして2003年には当時、社民党の辻元清美議員が勤務実態のない政策秘書2人分の給与、約1900万円をだまし取ったとして逮捕され有罪判決を受けています。

そんな流れを受け2004年、秘書の給与に関する法律が改正され、給与が秘書本人に直接支給されるようになりましたが、法律の改正後も秘書給与にまつわる事件は起こっています。

最近ですと2024年、当時、自民党の広瀬めぐみ元参院議員が350万円余りをだまし取った罪で、同じく有罪判決を受けています。

青井実キャスター:
金子さんは国会議員でしたが、こんなことがなぜ続くんですか?

SPキャスター・金子恵美氏:
簡単に名前を書いて提出してチェックもされないというのがまずあると思います。ただ、事務所経費がかかってみんな足りないので自転車操業ですけども、みんな歯を食いしばってやっているので、やってはいけないことというのは間違いないです。

青井実キャスター:
不正が相次ぐ理由はほかに何かありますか?

高田圭太政治部長:
ベテランの複数の議員秘書に話を聞くと、とにかく議員というのは意外とお金がなくて困っているといいます。そして議員にとって秘書は使用人だといい、別の言い方では人間扱いを受けていないと言っている人もいました。こういう中でどういう発想が生まれるかというと、公設秘書の給与は事務所全体の収入だということです。そのため、どう使おうといいし、逆にこれまでだと他の安い私設秘書の給与に充てたりする例もありました。今回はまさに秘書としての勤務実態がない中で、それを使っています。使途は分かっていませんが、“何が悪いんですか?事務所全体なんだから”という発想が根底にあります。

青井実キャスター:
外部の組織が監視したりして防ぐことはできるんですか?

高田圭太政治部長:
例えば、今回の政治資金規正法改正の中で、第三者機関である政治とカネを監視する機関が設置されることになっているので、そういう機能を持たせることはできると思いますが、チェックしようとしたら膨大ですから、そこに税金とかをかけたり人をかけたらこれは本末転倒ですよね。なので、最終的には議員本人のモラルなどに頼るしかないですね。

青井実キャスター:
国会議員の方、衆参あわせて約700人ぐらいですよね。1人で3人雇えるとしたら2100人ぐらいですが、現実的にチェックできるかということですよね。

高田圭太政治部長:
無理ですし、今回聞いた秘書の中には秘書の人数をもっと増やしてくれれば解決するんじゃないかという人もいましたが、そこでまた税金をさらに使いますかというとなかなかそうともいかないですよね。なので捜査で一罰百戒的なことで、秘書給与は税金で個人に払われているものだとちゃんと確認する必要があると思います。

宮司愛海キャスター:
金子さんは元議員の立場から不正をなくすためにはどうしたらいいと思われますか?

SPキャスター・金子恵美氏:
お金がないのはまさにそうなんですが、勤務実態なしということに問題があります。ただこの勤務実態ってどう計るのか。秘書業というのは非常に特殊な仕事なので、地元にも地元秘書がいますが公設秘書も地元に入ることもあって地元と東京を行き来したりする。“ここからここまでが労務である”というのはなかなか測れないというところがあるので、チェックするといってもどうやってチェックするのかというところはあります。