SDGsの取り組みをお伝えする「フューチャースマイルプロジェクト」
視覚障がいのある人が安心して移動できるよう、デジタルを活用した取り組みが広島県内で新たに導入されました。
【山北陸斗記者】
「広島市内のある施設に来ています。一見、どこにでもある普通のフロアなんですが、ご覧ください。カラフルな二次元コードが至る所に設置してあります。実は誰もが行動しやすいように開発されたものです」
こちらは視覚障がい者向け音声案内アプリ「ナビレンス」
専用のアプリを起動してカメラを二次元コードにかざすと…
<アプリの音声>
「トイレ・14メートル先」
コードを瞬時に読み取り、行きたい場所までの距離・方角を自動音声で教えてくれます。先月、県内で初めて広島市南区の施設に導入されました。
きっかけは“行きたい場所へ自由に”という当事者の声でした。
【視覚障がいのある人】
「外出する時はヘルパーさんと一緒に歩くので、単独で歩くことはほとんどない」
「出来るだけ1人で歩きたい。ガイドの手を借りずに」
【「ナビレンス」の普及を進める松山和馬さん】
「基本的に視覚障がい者の方にきちんとした情報を取れるんだよと、それができるから『外へ出よう』『どっか行ってみよう』という気持ちになって外出意欲がもっともっと湧いてくれればいいなと」
この日は実際に集まった人たちがアプリを体験しました。
ナビレンスは二次元コードから15メートルほど離れていても読み取れるため視覚障がいのある人に使いやすくなっています。
【視覚障がいのある人】
Q:ナビレンスがあると違う?
「結構違います。何メートル先にエレベーターの入り口があるとか、そういうのが分かる」
【視覚障がいがある人】
Q:広島に普及させたい想い強い?
「強いですね。視覚障がい者みんな色々困っている。こういうのがあったら便利。公共交通機関にもっと入れてもらったら非常に助かる」
ナビレンスの普及には社会全体の理解が欠かせません。
【「ナビレンス」普及を進める松山和馬さん】
「施設管理者にしてみるとこれまでも多言語サービスや障がい者向けの点字ブロックなど色々やってきてると思う。それらの経費に比べれば(ナビレンスは)さほど高くない。
ある程度の投資、インクルーシブなサービスを進めていくために出費していただくのは必要。本当にそういう社会になっていくのがいいなと思うので(普及を)更に頑張りたい」
障がいのある人もない人も“誰もが安心して外出を楽しめる社会”を実現するためにデジタルを活用した取り組みの推進が期待されます。
<スタジオ>
広島ではまだまだ普及が進んでいないということですが、全国の状況はどうなのか、こちらの地図をご覧ください。
すでに導入している自治体は全国に多くあります。
西日本では兵庫県神戸市で空港や、また大阪万博の会場や福岡県の国立博物館などで導入されています。
また取材をした山北記者によりますと、実際に体験をしてみて、
〇カメラをズームする必要はないので、スマホを持っているだけで二次元コードを読み取れる
〇多言語対応なので外国人も使えるということです。
ただ、同じところに複数のコードがある場所では一斉に読み取ってしまうので、音声が聞き取りにくいこともあり、課題もあるようです。
木村さん、あらゆる人が快適に暮らせる。そのために社会の理解が必要ですね。
【コメンテーター:エディオン女子陸上部アドバイザー・木村文子さん】
「当事者の方にしかわからない困っていることとかが健常者の人にわかったり、このようなアプリで可能性がどんどん広がっていくことで、周りの人に迷惑かなっていう思いが少しでも減っていくといいなと思います」