料理に欠かすことができない油。

9月から大手メーカーが、食用油の値上げに踏み切ります。

28日、「イット!」がお昼時に取材したのは埼玉・川越市にある町中華です。

厨房(ちゅうぼう)をのぞくと、中華鍋に注がれる大量の油。

そこに鶏肉を入れて出来上がったのは、外はサクサク、中はふっくらジューシーな店自慢のから揚げです。

“大食いの聖地”と呼ばれる人気のデカ盛りのお店。

連日、たくさんの注文が入ります。

二代目蝦夷・岡安清純店主:
1日少なくとも50㎏ぐらいはから揚げ作ると思う。

1日50kgは揚げるというから揚げ。

そのため、使う油の量も多いそうで、岡安店主は「(油)たくさん使います。1日5~6Lはから揚げだけで使う。町中華なので油は命ですよね。油はすごく使います」と話しました。

店にとって命の“油”。

大手メーカーは、9月1日から相次いで、業務用に加えて家庭用の食用油の値上げに踏み切ります。

日清オイリオグループは家庭用の食用油を11%から18%、業務用を18%から25%値上げ。

昭和産業は、家庭用と業務用がともに20%以上、Jオイルミルズは家庭用の食用油を11%から23%、業務用を10%から18%の引き上げです。

取材した店では、9月から仕入れている油がすぐ上がるということはないそうですが、それでも10月以降は上がる可能性があるといいます。

二代目蝦夷・岡安清純店主:
10月1日から少し在庫も減ってきたことにより変わるかもしれないといわれてる。(値上げは)15~20%いかないぐらいは。油が上がるっていうのは本当に苦しいことであり大変なこと。

大手メーカーが食用油の値上げに踏み切る訳は、世界的な油の需要の上昇や物流費の高騰、さらに人手不足など、あらゆる費用が上がっているのが要因です。

客:
やっぱり揚げ物はほとんど出ないですね。量をなるべく減らして使うので揚げ物系、唐揚げとか天ぷらとかは外で食べるのが増えている

今後の見通しについて、フジテレビの智田裕一解説副委員長は「トランプ政権の政策でバイオ燃料用の需要も増える中、食用油を巡るコスト環境は今後も厳しい状況が続くとの見方が強まっている」ということです。

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