8月27日の新潟県内は大気の状態が不安定となり、各地で雨が降りました。足元が悪くなる中、気をつけたいのが用水路での事故です。村上市では落下を防止する用具などを使った実証会が開かれました。
低気圧から伸びる寒冷前線の影響で大気の状態が非常に不安定となり、局地的に大雨となった地点もあった27日の新潟県内。
こうした雨などで足元が悪くなったときに気をつけたいのが用水路への転落による水難事故です。
村上市荒川地区では27日、事故を未然に防ごうと水難学会の会員約20人が参加して、用水路安全対策現地実証会が開かれました。
草刈り中に誤って用水路に落ちた場合などを想定し、樹脂製の落下防止ネットを使ったデモンストレーションを実施。
【学生】
「危ない感じがなく、全体にフィットするような、包み込んでくれるような安心感がある」
警察庁の発表によりますと、全国で発生した用水路での水難事故による死者・行方不明者数はおととし75人でしたが、去年は100人まで増加しています。
【農家】
「なんか怖い」
参加した農家も最初は不安をのぞかせていましたが、デモンストレーションを見て、落下防止ネットの安全性の高さを確認できたようです。
【農家】
「お年寄りとか子どもが中に入らず、止めてくれるというのはありがたい」
さらに…
【記者リポート】
「こちらの用水路ではスタントマンが実際に流されるデモンストレーションが行われます。先ほどの用水路に比べ水の量が多く、さらに水の流れも早くなっています」
こちらは過去に高齢者の転落事故が起きている幹線用水路。
この日の水位は80cmほどでしたが、水の流れが速いため大人でも簡単には用水路から上ることができません。
大人2人がかりで身動きがとれなくなった参加者を引き上げる場面も見られました。
万が一、足のつかない用水路に転落してしまった場合は、設置してある救難ロープにつかまり、周囲に助けを求めるなど救助を待ってほしいと齋藤教授は話します。
【長岡技術科学大学 斎藤秀俊 教授】
「用水路に転落しないように防止策をしっかりとるのが一つ。万が一、用水路に落ちても、できるだけ早く上に上がれるようにする。この2点を守っていただくと命を守れる」
水難学会は今回の実証会の結果を来年1月に開く県の研修会で報告する方針です。