老朽化などを理由に解体が決まっている高松市の旧香川県立体育館について、再生に向けた提案を行う建築家などでつくる団体は8月26日、解体工事の差し止めを求めて仮処分申請をする意向を表明しました。
世界的な建築家丹下健三さんが設計した高松市の旧香川県立体育館は老朽化と耐震性の問題から県が10億円をかけて解体することを決めています。
これに対して、建築家などでつくる団体は7月に民間の資金で体育館を買い取るなどして耐震改修を行い、ホテルとして再生させる計画を提案しましたが、県と県教委は事業主体や耐震計画が具体的でないとして、協議を行わない考えを示しました。
8月26日の会見では県から指摘を受けた点について、事業主体になる可能性のある会社の代表がオンラインで登壇し、これまで東京や広島でホテルの再生を手掛けてきた実績と、今回の計画の事業性に問題がないことを説明しました。
また、耐震性についてもすぐに倒壊する恐れはないことや少しの補強で安全性を確保できるとの認識を示しました。そのうえで解体工事の差し止めを求める仮処分申請と税金の使い方の是非を問う住民監査請求を解体工事の入札が始まる9月2日までに行う意向を示しました。
(旧香川県立体育館再生委員会 長田慶太委員長)
「まずは協議の場所を設けてほしいというのが委員会全体の願いであることを理解してほしい」
また、団体が実施したアンケートでは約7割の人が県が協議に応じるよう望んでいることや、文化庁による支援が期待できることなどを紹介し、県教委に対して28日に話し合いができるよう申し入れていることも明らかにしました。