大阪の道頓堀で消防隊員2人が亡くなったビル火災からきょう=25日で1週間。外壁の広告が出火から数分で焼け落ちていたことがわかりました。
火災が広がった原因の一つとみられます。
■道頓堀ビル火災 消防隊員2人が犠牲に
発生から1週間となった25日、現場では、手を合わせる人の姿がありました。
【消防士を目指す学生】「お二人の気持ちを背負いながら消防士になる夢を持ちながら頑張っていきたい」
【岐阜県の消防士】「見る限り悲惨な現場だったんだなと。岐阜県内でもこのようなビルがあるので火災を通して殉職者が出ないように」
今月18日、大阪の繁華街・道頓堀のビル2棟が焼けた火災では消防隊員の森貴志さん(55)と長友光成さん(22)が死亡しました。
■吹田市消防が似たビルに緊急立ち入り検査
この火災を受け、吹田市消防本部は25日、火災が起きたビルと構造が似たビルに緊急の立ち入り検査を実施。
避難経路となる階段が塞がれていないかや消火器に問題がないかなどを確認しました。
【吹田市消防本部 沼田頌大主査】「火災で一番怖いのは煙から身を守ること。(階段に)ものが置かれていたりすることもあるので、自身の身を守るために誘導灯ついているところを一度確認されるのも一つ」
■西側ビル1階の室外機周辺から出火・外壁の広告を伝って燃え広がった疑い
消防隊員2人が亡くなるという凄惨な火災。
なぜここまで早く広がったのか、その原因が徐々に明らかになってきました。
警察によると、火が出たのは西側のビル1階の外側に設置された室外機周辺とみられ、外壁の広告を伝って燃え広がった疑いがあり、その後、消防隊員2人が6階で逃げ場を失い死亡しました。
■わずか数分で看板が焼け落ち枠組みだけに
実際に関西テレビが入手した発生当時の複数の映像で、次のような様子が見られました。
消防に通報があった3分後に撮影された映像では、看板が激しく燃えているのがわかります。
その2分後に撮影された映像では看板は焼け落ち、すでに枠組みだけになっているように見えます。
■燃えにくい素材が本当に使われていたかー 大阪市は調査へ
大阪市によると、建築基準法ではこの地域の高さ3メートル以上の広告は20分間燃焼しない不燃材を使うよう定められています。
今回、焼け落ちた広告は市の条例に基づき「ターポリン」という燃えにくい素材を使用していると申請されていましたが、実際に「ターポリン」が使われていたのかはまだわかっていません。
今回の火災を受け横山市長は25日、道頓堀川沿いの看板について調査を進めると明らかにしました。
【大阪市 横山英幸市長】「都市部は屋外広告物が山ほどある。まずは道頓堀川に面している箇所について、現状の確認をできるだけ早く進めれたらと思います」
火災による死者が再び出ないよう、改めて防火対策を徹底する必要があります。
(関西テレビ「newsランナー」2025年8月25日放送)