1回の訪日旅行で1人当たりの総消費額が100万円以上の外国人観光客を指す「高付加価値旅行者」の誘致に成功した事例として、国の観光庁の職員が22日、越前市観光協会の取り組みを視察しました。
        

22日は観光庁の職員4人が越前市を訪れ、最初に手すき和紙製造の「やなせ和紙」を訪れました。
 
ここでは、2024年にアメリカやヨーロッパから家族連れの旅行客を受け入れ、紙すきを体験してもらいました。

柳瀬晴夫社長は「田舎には“本来の日本”が残っている。特に伝統工芸をしているようなところは、そのままの暮らし、仕事をしているのでそこに感激して帰ってくれるとうれしい」と話していました。
  
観光庁によりますと「高付加価値旅行者」は、日本の伝統や本物の体験といった、他にはないものを求めるとしています。
 


全国では、そうした観光資源があっても実際の誘客につなげられない地域もある中、越前市観光協会のツアーには2024年度にアメリカやフランス、ドイツから合わせて8件26人が参加しました。
  
観光協会では、伝統工芸の特殊な言葉や細かいニュアンスを伝えるために、特別に研修を受けた通訳が案内するなど、観光客の満足度を高める工夫をしています。
 
観光庁の職員は「都市ではオーバーツーリズムになってはいけないという問題がある。一方で外国人観光客の経済的な効果を地方にも及ぼしていきたい。まさに越前和紙やクラフトなど地域ならではの観光資源はまだまだ可能性があるし有効利用したい」と話します。

「高付加価値旅行者」の中には、5万円から6万円の越前打ち刃物の包丁を10本くらい買っていく人がいたということです。
 
富裕層に限らず、好きなもの、興味があるものには惜しみなくお金を使う人がターゲットで、福井の伝統工芸や自然を「高付加価値旅行者」が求めるものにいかに合わせていくかが求められています。
   
越前市観光協会は、石川の九谷焼、富山の井波彫刻といった伝統工芸の産地と連携したツアー商品も提供していて、今後も伝統工芸などを生かした観光地づくりをしたい
としています。
          

福井テレビ
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