夏休みの間、子供をどこに預けるか―。共働きの家庭にとって切実なテーマです。
そんな中、大阪ガスで行われた新たな取り組みを取材しました。
午前8時。
「おはようございまーす」
朝早くから大阪ガス本社に一緒に“出勤”する親子の姿。
なぜ、会社のオフィスに子供たちが集まるのか?
【子供】「じゃあ行ってきまーす」
【母親】「あとでね」
ここは親が働く企業で子供を預かる「企業内学童保育」。
20日までの3日間、共働きの社員向けに1日2000円で開設され、小学生30人が参加しました。
(Q.朝の「通勤」はどうだった?)
【子供】「電車がめっちゃ混んでたんで、(お父さんさんが)いつもよくこんなんで行けてたんだなってすごい感心しました」
子供たちは風車やソーラーカー作りなどの工作教室に参加。
一方、子供たちが遊ぶ間、親は…仕事に集中!
子供が近くにいる良さもあるようです。
【利用した母親】「いつもだったら暑い中帰ってきて、家で会うみたいな日常ですが、自分で迎えに行って一緒に帰れる。帰り道も一緒に楽しめる良さがあるかなと思います」
■学童保育を利用できない数は1万7千人を超える
こうした「企業内学童」の需要は年々増加しています。
子供の預け先としては「学童保育」がありますが、共働き家庭の増加などでことし5月時点で「学童保育」に登録している児童の数は、過去最多の150万人超に。
そして、空きがないなどの理由で利用できない児童の数は1万7千人を超え、支援体制が追い付いていないのが現状です。
一方、大阪ガスの社員からは学童に入っていても夏休みには困ることがあるという声が…
【利用した母親】「登校の時間が変わってしまって、いつもは送り出して会社の9時始業に間に合うが、学童に送り届けてから間に合わず、毎朝20~30分フレックス勤務を使わないといけなくて苦しいところがある」
【利用した父親】「子供本人が学童つまらないと言い出すことがあるので、その時に家に一人で置いておけるのかというと朝から晩まで一人で置いとけない」
こうした声にこたえようと企画された「企業内学童」。
お昼ご飯は社員食堂で用意されたお弁当を子供たちみんなで食べます。
【子供】「おいしい!」
(Q.いつもの学童とどっちが楽しい?)
【子供】「こっちがいい~絶対ここ!」
【子供】「だって学童はいつも勉強してるもん」
しかし、親は会社にいてもやはり子供の様子は気になるようで…
【利用した母親】「ご飯食べたー?」
【利用した母親】「近くにいると思うだけで安心感あるし、精神的にありがたい」
【利用した父親】「初めて会った子供ばっかりと思うんですけど、いつも通り楽しそうに遊んでくれてて意外でした」
■導入検討の企業も「ノウハウ」ないと進まず
子供にとっても親にとっても充実した時間となった「企業内学童」。
働く家庭への支援策として、こうした取り組みの広がりが期待されますが、企業内学童を企画するパソナフォスターによると「企業内学童がまだまだ知られていないのが課題で、企業側にノウハウがなく相談が急増している」ということです。
(関西テレビ「newsランナー」2025年8月21日放送)