熊本市西区島崎では短時間に降った大量の雨を排水しきれず、浸水被害があった。土石流で校庭に土砂が堆積した八代市の龍峯小学校でも、児童たちが母校のために泥のかき出しを手伝っていた。

土石流の土砂が流れ込んだ龍峯小学校

八代市立龍峯小学校は、毎年4月に見頃を迎えた校庭の藤の花の下で、児童と地域の住民が一緒に給食を食べる『藤棚給食』を行なっている。

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今回の記録的な大雨で大量の土砂と泥水が流れ込み、校舎や体育館は床下浸水。藤棚のある校庭には土砂が堆積し、色とりどりの花も無残な姿になってしまいた。

龍峯小学校の服部利恵校長は「一番は職員と子どもたちの命を守ることなので、人的被害がなくて何よりだった。(職員には)子供たちが学校に来ても困らないように(施設の)泥を落としたりしてもらっている」と話す。

大雨から一夜明けた8月12日。6年生の児童がトイレに流れ込んだ泥をかき出す作業を手伝っていた。6年の山田創介さんは「どこそこで土砂災害が起きていて、学校も大変なことになっていたので〈自分の学校は自分で何とかしたい〉と思って手伝いにきた。災害前の学校に戻せるように頑張ろうと思う」と話す。

ボランティアも復旧活動を手伝う

また、17日は5年前の豪雨の際に、八代市坂本町で災害支援にあたったボランティアチームや能登半島地震で被災した石川県から駆けつけたボランティアなども復旧作業に参加した。

北九州市からのボランティアは「九州では熊本地震から活動していて、こんなことが起こったらみんな助け合いと思っている。子どもたちは土に手を触れて遊ぶものなので、その(復旧の)ちょっとでも手伝いが出来たら」と話す。

また、坂本町災害支援チーム・ドラゴントレイルの中川拓代表は「(被災したことで)こどもたちの気持ちも沈んでしまうということで、なんとか解決してあげたい。夏休みが終わってから、また明るい気持ちで勉強や学校生活を楽しんでほしい」と話した。

服部校長は「本当にありがたい毎日。人の力の偉大さ、学校を愛する力をたくさんもらった。本当にありがとうございました。子どもたちのために頑張りたいと思う」と感謝を述べた。

新学期に向けて、そして、来年も満開の藤の花の下で『藤棚給食』ができるよう復旧作業が続いている。八代市教育委員会によると、八代市立龍峯小学校と千丁小学校では今回の大雨被害のため8月25日に予定していた新学期の始業式を1週間延期し、9月1日に行うという。

(テレビ熊本)

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