デフリンピックは、耳に障害のある選手のための国際スポーツ大会で、2025年11月、日本で初めて開催されます。

しかし、その認知度は低く、パラリンピックと比較してもまだまだ知られていないのが現状です。デフリンピックを知るきっかけにしてほしいと、高知出身のアスリートが「走り方教室」を開きました。

夏休みの体育館を笑顔で駆け回る子どもたちに、走り方を教える先生。実は、お互い耳に障害があるという共通点があります。

現在、ろう学校は高知県内に一つしかなく、通常の小学校に通う難聴の子どもたちも多いのが実情です。そこで、高知ろう学校は同じ境遇を持つ仲間との出会いの場をつくろうと、20年以上前から夏休みに「サマースクール」を開催しています。

まずは輪になって自己紹介。

自己紹介:
「なかむらゆいとです。よろしくお願いします」

新しい友達ができるかな?みんなドキドキです。

教室が始まるとみんな元気いっぱい。自然と笑顔があふれます。
 
この日の講師は、高知出身の中西椋選手と岡田泰尚選手。2人は2025年東京で開催されるデフリンピックに、日本代表として出場が決まりました。

デフリンピックは聴覚障害者の国際スポーツ大会。補聴器などをつけずに、通常の会話レベルの音(55デシベル)が聞こえない選手が対象です。オリンピックと同様、4年ごとに夏と冬に開催します。その歴史はパラリンピックよりも古く、夏の大会は2025年でちょうど100年目を迎えます。

「よーいどん」

視覚でスタートのタイミングを知らせる「フラッシュランプ」。デフリンピックと同じスタートを子どもたちも体験です。

デフリンピック競技を体験した子供:
「スタートランプの体験が楽しかったです」
「走って 速く走れた」
「走るの楽しかった」
「走ったことが楽しかった」

イベントでは、デフリンピックに挑戦する2人に子どもたちからの質問コーナーも。

子ども:「今目指していることはなんですか」
岡田泰尚 選手:「デフリンピックでメダルを取る事です」
Q色は?
岡田泰尚 選手:「金メダル」

実は、中西選手は高知ろう学校の卒業生。かわいい後輩たちに、未来への可能性を感じてもらえたらと話します。

中西椋 選手:
「先輩としてスポーツだったり、何かで結果を残してるところを見て、同じ陸上じゃなくても他の道でも頑張ったらいけるっていうのを見てもらいたい」

さらに、耳に障害がある人への接し方についても話してくれました。

中西椋 選手:
「気にかけてくれるだけで結構嬉しかったりするので、筆談とかゼスチャーでも全然伝わったりするので、気軽にあんまり身構えず話しかけてほしい」

ふれあいを通して、子どもたちからたくさん元気をもらった2人。9月、県は2人の壮行会を開催するということです。

高知さんさんテレビ
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