9日から降り続いた記録的な大雨は福岡県内各地にその爪痕を残しました。
福岡県宗像市の沖合に浮かぶ、世界遺産にも被害は及んでいました。
宗像市田野で有機野菜を栽培する「宗像ファームガーデン」。
10日と11日に2日続けてそばの川や用水路があふれ、畑が水につかりました。
◆宗像ファームガーデン 伊津玲奈さん
「恐ろしいぐらい降っていたので、どうなるのかと思った。池みたいになった」
この時期は、ナスの出荷がピークを迎えていますが…。
◆記者リポート
「収穫予定だったナスの中には、このように腐ってしまったものもあるということです」
1日に100本ほどのナスを収穫していますが、浸水の影響でこの3日間は腐ったものや品質の落ちたものが多く、出荷を断念したり値段を下げたりして対応しているということです。
◆宗像ファームガーデン 伊津玲奈さん
「この時期の大雨は(農家に)かなり影響が出るのでは」
◆カメラマン
「宗像大社の中津宮です。参道脇の土砂が崩れ、大きく穴が空いています。赤い欄干も壊れているのが確認できます」
記録的な大雨の影響は宗像市の離島、大島にある世界遺産、宗像大社の中津宮にも及んでいました。
関係者によると濁流が参道に流れ込み、地面が欄干ごと崩れました。
お盆期間中ということもあり復旧のめどはまだ立っていないということです。
一方、福津市ではボランティアの人たちが住宅に流れ込んだ土砂の撤去作業に当たっていました。
住宅では浸水で床下収納庫が浮き上がり、台所のテーブルを持ち上げたといいます。
◆住民の男性
「私はここに座っていて、ここがこういう具合に持ち上がった。これが浮力でこう上がっていた。」
◆ボランティア
「ニュースを見たら、高齢のおばあさんが1人で泥かきをしていて、急きょ、きょう入ろうということに。これは殺人的な暑さ。熱中症厳重警戒で空調服を着て」
県のまとめでは、13日までに浸水などの家屋被害が166件、がけ崩れなどの土砂災害が75件、道路の冠水や損壊が55件確認されています。
また、福津市では川に流された高齢の夫婦とみられる男女もいまだ見つかっておらず、警察などの捜索が続いています。
一方、門司海上保安部によりますと13日午前、宗像市沖約28キロの海上で身元がわからない成人女性の遺体が見つかっていて、海保が身元の特定を進めています。