夏の甲子園は大会7日目。福島代表・聖光学院は順延をはさみ8月12日に山梨学院との初戦に臨んだ。息詰まる投手戦のなか、終盤に試合が大きく動いた。

■先発にエース・大嶋

悲願の日本一へ。聖光学院は先発にエース・大嶋哲平を送り出す。
1回裏、相手の攻撃。右中間への大きな当たりを鈴木、そして続くセンターへの打球を竹内と、聖光学院伝統の堅い守備が大嶋を盛り立てる。大嶋はその後、要所を締める丁寧なピッチング。
対する山梨学院も2年生エース・菰田(こもだ)が聖光学院打線をノーヒットに抑え込み、息を飲む投手戦に。

◇5回 山梨学院 0-0 聖光学院

■大嶋投手の兄「一緒に戦っている」

試合が動いたのは6回。山梨学院打線にタイムリーヒットを打たれ先制される。
スタンドには元・聖光学院野球部の大嶋投手の兄・颯太さんの姿も。「近くにはいないですけど、一緒に投げて守ってと言う風に思っているので、一緒に戦っています」と祈る気持ちで見守る。

ピンチの場面も踏ん張った大嶋投手。兄・颯太さんは「よく1点で抑えたと思います」と安どの表情を見せた。

◇6回 山梨学院 1-0 聖光学院

■「自分の弱さを相手に上回られた」

そして直後の7回。聖光学院は1アウト3塁から6番・鈴木来夢のタイムリーで同点に追いつく。しかし勝ち越しを許すと、8回に4失点。
この時の心境を大嶋投手は「終盤になって、甘く入った球を逃してくれるほど、やっぱり甘い世界ではない。最後は自分の弱さを、相手に上回られた」と振り返っている。
◇7回 山梨学院 2-1 聖光学院
◇8回 山梨学院 6-1 聖光学院

■最後まで諦めない

聖光学院は最終回、ノーアウト満塁のチャンスから内野ゴロの間に1点を返し、最後まで戦い抜いたが反撃もここまで。2対6で敗れ、2024年に続き初戦で涙を呑んだ。

試合後、大嶋投手は「悔しい気持ちが一番ですけど、自分としてはこの甲子園でこんなにも素晴らしい仲間たちと野球ができたことに悔いはない」と語った。
また斎藤智也監督は「彼らが精一杯やった結果。こっちも受け止めてあげようと思います」と話した。

福島テレビ
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