進化が止まらない、AI技術。私たちの生活にも少しずつ浸透してきましたが、ある人物の生成AIの使い方が、波紋を呼んでいます。

その人物とは、スウェーデンのウルフ・クリステション首相。
8月3日に配信された 地元紙のインタビューで、チャットGPTなどの生成AIに、国政運営について相談していることを明らかにしたのです。

この発言に対して、国民からは「私たちはAIに投票したわけではない」という批判の声や、機密情報がAIの学習データとして使われるリスク、事実と異なる回答をそのまま信用してしまう恐れがあるのではないかと懸念する声を挙がっています。

首相の報道官は、それらの意見に対し、「機密性の高い情報を入力したことはなく、リスクは冒していない」と反論。あくまでも、意見交換の場として利用しているといいますが…。

AIを国政運営に利用するリスクについて、AIに詳しい早稲田大学招へい研究員の松村雄太氏は、「間違った知識をAIから得るなど懸念はあるが、国の業務効率化にAIが役立つ可能性もある。情報漏洩しないようにする設定もある」といいます。
鈴木おさむ氏も様々なことに活用…「頼るようになる怖さ」
便利な半面、様々なリスクもはらんでいる「生成AIの利用」。
「サン!シャイン」のキャスター、スタジオゲスト陣はどのように感じたのでしょうか。

岩田明子氏:
情報漏えいのリスクを考えると、軍事作戦であったりしたら端的な影響が出ますし、そうでなくても、トップの思考回路というのは“トップシークレット”ですから、どういうクセがあって、どういうことをいつも考えているのか学習させちゃうこと自体もリスク要因ではないかと思います。もっとほかのことに使ったらいいと思います。

谷原章介キャスター:
運営がどこかにもよるじゃないですか。結局中国でも有名なAIもあるし、アメリカも作っているし。他国がどこかの国のAIを使うことによって、別の国が運営しているAI会社の方が、何らかのマイナスを持たせて情報を操るという可能性もありますから…怖いかもなと思います。
元放送作家で、脚本なども手がけている鈴木おさむ氏は、「脚本の相談」や、「番組のコメント相談」「韻を踏む歌詞の相談」などにAIを活用しているといいます。

鈴木おさむ氏:
最近久々に脚本を書いたので、AIを使ってやっていて。
大事なのは、まず自分が結構面白いと思うものを書くんです。それをAIに入れると、この脚本の何が面白いかを教えてくれるんです。さらに「これをブラッシュアップして」というと、ブラッシュアップもしてくれますし、一行で悩んでいたりすると、その一行の候補を10個作ってといったら、10パターンばーっと書いてくれる。
だから、さらにいいものを作るという点ではむちゃくちゃ向いているなと。ただ、結構頼るようになっちゃっているという自分の怖さもあります。
大事なのは、自分のマーケティング。首相も自分がどう思われているかなどをAIに聞くのは大事かなと。
(「サン!シャイン」 2025年8月12日放送)