少子高齢化が進む中、総務省が日本の総人口を発表しました。
日本人の人口の減少数は過去最大となった一方、日本で暮らす外国人は増加しています。

外国人との「共生」が以前から進む街を取材しました。

総務省の発表によりますと2025年1月1日現在の日本の総人口は1億2433万690人。
そのうち日本人の数は1億2065万3227人。

一方で、日本に住む外国人は367万7463人で調査を開始した2013年以降最多となりました。
実は総人口の約3%が外国人なんです。

街の人に外国人が増えているか聞いてみると「コンビニや飲食店で外国人の方が働いているイメージがすごくある。個人的には増えたかなと思う」「バイト先のお客さんでも、日本に住んでいて日本語で頑張って話しかけることとか多い」「海外に行かなくても海外の方と交流できたり、お互いの文化を知ることができるのでいいと思う」といった声が上がりました。

そんな中、鈴木法相は7月の会見で、日本における外国人の割合が2040年に10%を超える可能性もあると話しました。

今後はより一層、外国人との共生が身近となる中「イット!」が注目したのは横浜市鶴見区です。

鶴見区の人口は8月1日時点で、約30万人。
そのうち外国人は1万7755人と、人口の6%ほどと全国割合の2倍の計算です。

商店街を歩いてみると、ブラジルやボリビア、ペルーといった南米料理の店が点在していました。
さらには中国やインドなどアジア系のお店もありました。

では、そもそもなぜ鶴見区に外国人が多いのでしょうか。
商店街の役員を務める土屋さんに理由を聞きました。

仲通商店街・土屋信太郎事業部長:
沖縄から南米に移民で結構行かれてて、その人たちが文化を向こうで守りつつ、日本に仕事を求めてきたときに鶴見にたくさん住んで、その人たちを支える方法として飲食店やスーパーなど、ブラジルや南米に特化した店が17~18軒。

商店街にとってもメリットがあると土屋さんは言います。

仲通商店街・土屋信太郎事業部長:
商店街としては(外国人の店は)観光資源。それを機にあちこちから(客が)来てくれて、この街がさらに知ってもらえる機会になれば良い。なかなか日本だと食べられない食材や料理が日常茶飯事でいろんな時に食べられる。それはとてもいいかな。

街の人に外国人が多いことについてどう思うか聞くと「割といろんなお店があって活気があっていい」という一方で「日本語がしゃべれない人も多いので、意思疎通がうまくできないときもある。夜遅く道ばたで飲んでたりとかするのは結構ある」という意見も。

そして鶴見区に住む外国人の方は共生のために気を付けていることがあるといいます。

ボリビア国籍:
外国は文化が違うからここに来たらいろいろルール守らないとダメ。ゴミとかいろいろ。仕事のルールや住んでいるところのルールとか、守らないと日本では悪く見られる。提出日とか何かを期限内にやるのが人として信用される。印象がいいからそういうのは責任もって頑張りたい。あとは敬語とか得意じゃないですけど、頑張ってます。

また鶴見区では「多文化共生の街づくり」を進め、15年ほど前から外国人が相談できる施設を設置するなど行政もサポートを行っています。

鶴見国際交流ラウンジの小林広子館長にどういったことをしているのか聞くと「生活面のサポートが1番です。こちらとしては、ハブのような役割を持っていて、様々な相談に応じて機関につなげる。そういった場になっている」と話しました。

今後も増加する見込みの日本に住む外国人の皆さん。
共生のヒントが鶴見区にあるのかもしれません。