広島への原爆投下から3日後の1945年8月9日、午前11時2分に長崎にも原爆が投下された。一帯は廃墟と化し、約15万人もの人々が死傷した。

福島県会津若松市にある若松栄町教会では、2025年8月6日まで礼拝堂の中央に一枚の写真が展示されていた。敗戦直後の長崎で撮影された少年。唇をかたくむすび、火葬場に立っている。この「焼き場に立つ少年」を撮影したのは当時アメリカ海兵隊のカメラマンだったジョー・オダネルさん。

長崎で目の当たりにした惨状について「最後の日本帝国陸軍が廃墟となった長崎へ帰ってきた。故郷に原子爆弾がもたらしたあまりのむごい光景に、彼らは言葉を失い、打ちひしがれていた。愛する家族を探す彼らの旅が終わることはないだろう」と述べている。

オダネルさんは、任務とは別に撮影した写真を公開。亡くなるまで核の恐ろしさと平和の大切さを訴え続けた。
オダネルさんの妻が会津若松市の出身であったことから、教会に写真が寄贈され毎年8月の期間中に展示されている。
訪れた人は「写真から伝わるものがあまりにも強くて、言葉が出なかった」と話す。

教会には、オダネルさんがしたためた講演の原稿も保管されている。原稿には「二度とヒロシマもナガサキも繰り返してはいけない。二度と、二度と、繰り返してはいけない」と書かれていた。

若松栄町教会員の片岡輝美さんは「毎年来てくださる方がいらっしゃる。やはり夏は少年に会わなくてはいけないと。来年もまた8月の始めの時期に写真展を開くことによって、81年、82年とその平和が続いていく私たちが更なる平和を作っていければいいなと思っております」と話した。

福島テレビ
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