8月6日は雨が降りましたが、宮城県内では北部を中心に水不足の影響で、稲などの生育が懸念されています。こうしたなか南三陸町では、コンクリートミキサー車などを使って治水ダムの水を農業用のため池に運ぶ作業が始まりました。

南三陸町の歌津地区です。この地区では地下水を活用して、農業用のため池に水を貯めています。しかし、南三陸町の、7月の降水量は13ミリと観測史上最少を記録し、稲作で最も水が必要とされる出穂期を迎えるにも関わらず、水不足に陥っています。

農家(Q.例年のため池の水量は?)
「最低でも半分はある」
Q.今年は?
「全然。底が見えている」

こうしたことから町は、協定を結ぶ生コンクリートの協同組合に依頼し、本来は水源にしていない治水ダム・払川ダムからコンクリートミキサー車による水の運搬を始めました。

このほかにも東北農政局の散水車も加わり、町内の農業用ため池に繰り返し水を運びました。

南三陸町 三浦浩副町長
「農家から水がないので、何とかできないかとの問い合わせが一番であるので、今回の判断になった」

町では水不足が深刻な4地区のため池に、8月8日まで水を運ぶことにしています。

一方、大崎市では8月6日、水田の水の管理について話し合う会議が開かれました。

大崎市では、鳴子ダムの貯水率が0%となるなど、農業用水の確保が難しい状況となっていて、現在、水田をいくつかのブロックに分け、水を順番に送る番水が行われています。

6日の会議では出穂期に対応するため、さらなる節水の取り組みが必要とされ、県や大崎市などが市内のコメ農家に対して「飽水管理」への協力を呼びかけることが決まりました。

「飽水管理」は水田の水を土壌が浸る程度に浅く保ち、水量が減ったら再び水を入れるというサイクルを繰り返す管理方法です。

大崎市 安部祐輝 世界農業遺産推進監
「節水、飽水管理、水が限られているので、皆さんで節水に協力して、何とかみんなで水を回して、この出穂期間を乗り切っていく形で進めていければ」

大崎地域のイネの出穂期は8月中旬まで続く見通しです。

そして、村井知事は6日の会見で、県が管理するダムの平均貯水率が午前7時時点で43.6%と過去10年の平均である76.1%を大きく下回ったことに危機感を示しました。

県内には、県が管理するダムと国が管理するダムあわせて20のダムがありますが、このうち7つのダムで40%を下回っていて、鳴子ダムでは9日連続の0%、栗駒ダムも10%を下回っています。

宮城県 村井知事
「お盆休み中はずっと天気が良い。かなり厳しい状況に変わりはない」

県は番水を県内の水田面積のおよそ23パーセントで行っているほか、大崎広域水道事務所から水を送っている10の市町村に対して、節水の協力を呼びかけています。

仙台放送
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