猛暑・長引く雨不足は、日本三大急流の一つ最上川の舟下りにも深刻な影響を及ぼしている。山形・村山市の「最上川三難所舟下り」は水位の低下で3週間近く運休が続き、再開のめどが立っていない。

川底むき出しで舟下りできずガッカリ
「左手をご覧ください。岩があらわに見えているでしょ、普段はちょっとしか見えない。それだけ水位が下がっているということです」とガイドが案内している通り、川底の岩がむき出しの最上川。

舟ではなくバスでガイドをしているのは、舟が出せないため。
せめても車窓から景色を楽しんでもらいたいと船会社が無料のバスツアーを始めていた。
茨城から家族で訪れていたい人は、「残念。舟に子どもを乗せたかった。乗りたかった…」と話し、宮城からの客は「来年の春ぐらいにリベンジしたい」と話していた。

3週間も渇水で運航できないのは開業以来初
最上川最大の難所と言われた“碁点(ごてん)・三ケ瀬(みかのせ)・隼(はなぶさ)”をめぐる人気の観光スポット「最上川三難所舟下り」。

水しぶきを上げながら急流を下るスリルが魅力の1つだが、現在の水位は例年より50センチも低く、岩に船底がぶつかるおそれがあるため7月12日から運航を中止せざるを得なくなった。
渇水で3週間近くも運航できないのは、1988年の開業以来初めてのこと。

最上川三難所舟下り・関勇喜社長も、「ご覧の通り岩が見えて舟が出せない。こんなの初めて。記憶にない」と話す。
予約のキャンセルは31日までに50件・約400人に上り、損失は100万円を超えた。
竜神様にガイドも客もみんなで雨乞い

無料バスツアーの途中、雨乞い信仰の神社としても知られる「竜神様」に乗客みんなで手を合わせる場面も…。
ガイドの「雨降りますように…よろしくお願いします」の声に続き、客も「雨降りますように!」と祈っていた。

最上川三難所舟下り・関勇喜社長:
天気予報はずっと晴れマークだから、てるてる坊主を逆さにつるしてお願いしている。
雨…降ってほしい。

小降りでは再開が難しく、関社長は本降りの雨が2~3日続くことを待ち望んでいる。
村山市の天気予報とにらめっこの日がまだしばらく続きそうだ。
(さくらんぼテレビ)