参院選での与党大敗を受けて自民党内で噴出する石破首相の退陣論。FNNは、7月26・27の両日、電話世論調査を行ったが、石破首相が辞任すべきかどうかについては、有権者の意見が割れた。

石破内閣支持率の推移
石破内閣支持率の推移
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石破内閣を「支持する」との回答は、6月より3.6ポイント下がって34.6%、「支持しない」は2.9ポイント上がって60.3%だった。

参院選で与党が過半数割れしたことについては6割以上が「よかった」と回答
参院選で与党が過半数割れしたことについては6割以上が「よかった」と回答

今回の参院選で自民・公明両党の与党が大敗し、参院での過半数を維持できなかったことについて、「よかった」は60.4%、「よくなかった」は27.5%だった。

石破首相の進退については「辞任すべき」47.7%「辞任しなくてよい」44.2%
石破首相の進退については「辞任すべき」47.7%「辞任しなくてよい」44.2%

一方、今回の選挙結果を受けて、石破首相が辞任すべきだと思うかと質問すると、「辞任すべき」が47.7%、「辞任しなくてよい」が44.2%と、意見が分かれた。

これを支持政党別にみると、

     辞任すべき しなくてよい

自民支持  22.9%  73.3%

公明支持  27.3%  66.2%

立憲支持  40.7%  52.7%

国民支持  68.1%  27.6%

れいわ支持 55.5%  29.4%

共産支持   19.7%  61.9%

参政支持  79.5%  17.6%

自民支持層の73.3%、公明支持層の66.2%が「辞任しなくてよい」と答えた。自民党議員の間で石破首相退陣論が噴出する一方、自民支持層には退陣論が広がっていないように見える。

また、野党支持層でも、立憲民主党と共産党の支持層は、「辞任しなくてよい」の方が多かった。

今回の調査結果について、自民党幹部は「評価が難しい」と述べた。また、政権幹部は「微妙だ。(有権者は)決めかねている」と述べた。
自民党の中堅議員は「不思議だ」「党内のゴタゴタが長引くほど世論の続投支持は増えるのではないか」と語った。

FNNでは3月、石破首相が会食した自民党の新人議員15人の事務所に10万円の商品券を配ったことが問題となったことを受け、石破首相が辞めるべきかと問をした。この時は、「辞める必要はない」が62.6%で、「辞めるべき」が32.7%だった。

党内で加速する「石破おろし」の動き。辞任は避けられないとの見方が出る中、今回の世論調査がどう影響するかが注目される。

次の首相にふさわしい人…高市氏・小泉氏・石破氏

次の首相に誰がふさわしいかを聞くと、高市早苗元経済安保相が最も多く22.4%。小泉進次郎農水相が16.0%、石破茂首相が9.4%と続いた。

国民民主党の玉木雄一郎代表は6.8%、立憲民主党の野田佳彦代表は4.2%。

さらに、河野太郎前デジタル相と林芳正官房長官が4.1%で並んだ。

この他、上川陽子前外相は1.8%、小林鷹之前経済安保相は1.5%、日本維新の会の前原誠司共同台は1.2%、茂木敏充前幹事長は1.0%、加藤勝信財務相は0.6%だった。

与党支持層が期待する新たな連立相手は

世論調査では、今の自民・公明両党による政権の枠組みが、今後どうなってほしいかについても聞いた。

その結果、「自民・公明両党に減税の野党の一部が加わった政権」が最も多く46.3%。次いで「現在の野党中心の政権に交代」が34.1%。「自民・公明両党による政権の継続」は13.9%にとどまった。

これを支持政党別にみると、自民党支持層の62.3%、公明党支持層の54.6%が「自民・公明に野党の一部が加わった政権」を選んだ。
衆参両院で与党が過半数割れとなる中、与党支持者の中でも、自公を中心にした新たな連立を求める意見が根強いことがうかがえる。

では、どの政党と連立を組めばよいのか。自公+野党の一部の政権を選んだ人に聞くと、国民民主党が最も多く27.5%。続いて日本維新の会が21.7%、立憲民主党が21.3%、参政党が11.7%、その他の政党が9.8%となった。

政党支持率は参院選での国民民主・参政両党の躍進を反映

政党支持率では、自民党の21.0%に続いて、国民民主党が13.9%、参政党が9.8%で、いずれも立憲民主党の6.8%を上回った。参院選での国民民主・参政両党の躍進を反映した形だ。

政党支持率の推移
政党支持率の推移

公明党は4.0%、れいわ新選組は3.7%、日本維新の会は2.6%、共産党は2.4%、日本保守党は2.3%、社民党は0.9%だった。

衆参両院での与党過半数割れを受け、野党は、ガソリン税の暫定税率を廃止する法案を8月に召集される臨時国会に提出する構えで、連携して攻勢を強める方針だ。

野党第一党の立憲民主党が、支持率では国民民主・参政両党の後塵を拝する中、野党共闘のリーダーシップをどう発揮するか、野田代表の手腕が問われる。
(フジテレビ上席解説委員(政治) 三嶋 唯久)

三嶋唯久
三嶋唯久

フジテレビ報道局政治部 上席解説委員・政治担当。
細川連立政権から政治取材を開始。官邸、自民党、野党、防衛省などを担当した後、デスクをつとめる。FNN世論調査も担当した。他に、政治討論番組「報道2001」「新報道2001」のプロデューサーなど。「FNNプライムオンライン」発足時はゼネラルプロデューサーをつとめた。