土俵の上で女子たちが激しくぶつかり合う女子相撲。

この女子相撲でかつて、世界一に輝いた選手がいる。

立命館大学出身の野崎舞夏星(のざき・まなほ)さん(29)だ。

野崎舞夏星さん(立命館大学4年生当時):負けず嫌いです。絶対に無理だろうと、周りが思っている相手に勝てること、そういう取り組みができることが一番の快感です。

立命館大学出身 野崎舞夏星さん(29)
立命館大学出身 野崎舞夏星さん(29)
この記事の画像(10枚)

■高校3年で世界ジュニア選手権チャンピオン 快挙と挫折

小学4年生の頃から相撲を始めた野崎さん。小さな身体で大きな相手を投げ飛ばす姿で、一躍注目を浴びた。

高校3年生の時には世界ジュニア選手権で優勝。軽量級としては、史上初の快挙を達成した。

しかし、相撲の強豪・立命館大学に進学後、度重なる脱臼で3度の手術。骨を移植し、ボルトで固定してまで再起を図った。

野崎舞夏星さん:今まで貫いてきた相撲をとっちゃうのは納得いかなかったし、自分から相撲をとったらつまんない人間になっちゃう気がして。

そして、大学最後の試合。1回戦で敗退。

野崎さんの相撲人生は、一旦、ここで終わった。

世界ジュニア選手権で優勝
世界ジュニア選手権で優勝

■再び土俵に上がる決断 「自分が頑張れるエネルギーが湧いた」

大学卒業後は、自らの経験から、アスリートの思いを伝えたいとフジテレビに入社。

スポーツ局では、2022年の北京冬季オリンピックの取材などを担当し、現在は『コンテンツ投資戦略局』で働いている。

フジテレビの新入社員:(相撲をしてたのは)知らなくて、誰かから聞いて、全然そう見えないから『えー』ってなりました。

相撲から離れて7年がたったことし、あることがきっかけで、再び土俵に上がる決断をした。

野崎舞夏星さん:会社が色々問題があって、自分を見失ったというか、自分が今すべきことを見失ったタイミングで、相撲という新たな自分の目標が見い出せたので、自分が頑張れるエネルギーが湧いた気がしました。

フジテレビの先輩 鈴木麻衣子さん:一連の問題が起こった時って、通常とは働き方が変わっていて、心を整える場所を多分みんな考えたと思うんですよ。それが家族の人もいれば、友達と話すことの人もいれば、趣味をやってみたいなど、色んな人がいる中で、彼女はそこに相撲が。悔いなく頑張ってほしいと思っています。

大学卒業後はフジテレビに入社
大学卒業後はフジテレビに入社

■「自分のために土俵の上で輝きたい」 仕事と普及活動と稽古

テレビ局員として働きながらも女子相撲の普及のためにと、子供たちへの指導をしてきた野崎さん。

現役時代は65キロあった体重は、現在57キロに。

それでもこの夏の全国大会へ向け、およそ半年間、稽古を続けてきた。

野崎舞夏星さん:良い姿を見せようという感じで臨むよりは、まずは土俵に戻ってこられたこと。いま土俵にのぼるって考えただけでも、すごく喜ばしいことというか、自分のために土俵の上で輝きたいなって思います。

半年間、稽古を続けてきた
半年間、稽古を続けてきた

■レジェンドの復帰戦 「土俵に上がっててうれしい」と大学生

迎えた、大会の当日。

かつてのレジェンドは、試合前からサインを求められることも…。

静岡から参加した中学生:額縁に保存します。

会場には、フジテレビの仲間も応援に駆け付けた。

(Q.応援に来た理由)
フジテレビの先輩:働いててもこうやって、一生懸命やることがあるって、良いことだと思うので、なんかそういうのを見られたらなと。

対戦する相手は、大学時代の自分を見ていた若い選手ばかり。

試合前からサインを求められることも…
試合前からサインを求められることも…

いよいよ7年ぶりの土俵へ。

野崎舞夏星さん:色々あっても、やっぱりここに戻ってくるんだっていう。自分をつくるものは相撲なのかなと。

7年ぶりの土俵
7年ぶりの土俵

同僚が見守る中、1回戦の取り組みが始まる。

結果は押し倒し。 悔しそうな表情の野崎さん。

野崎舞夏星さん:一旦復帰戦を終えて、スタートダッシュが切れたなと思うので、次回はこんなところで負けずに、結果を目指してやっていきたいと思っています。試合を迎えるまでもそうだし、試合当日のきょう1日も、すごく楽しかったです。

復帰戦へ
復帰戦へ

復帰戦を勝利で飾ることはでなかったが、再び土俵に上がった野崎さんの姿は、観戦した人たちの心を動かした。

石川から参加した大学生:ずっと小学校の時から憧れで、辞めちゃったとき本当に悲しくて。またまわし巻いてくれてうれしくて…土俵に上がっててうれしくて…。

フジテレビの先輩:野崎の相撲を見に来たいと思ってたんですけど、女子相撲自体、見てて面白いなと思ったので、純粋に野崎の応援をするプラス、女子相撲を楽しみたいなと思いましたね。

石川から参加した大学生
石川から参加した大学生

対戦した相手にお礼する野崎さん。

野崎舞夏星さん:ごめんね、なんか。こんなおばさんの挑戦を受けてもらって。

京都両洋高校2年 早川弥沙選手:びっくりしました、レジェンドに…。

野崎舞夏星さん:また頑張ろうね。

野崎さんの新たな相撲人生が始まる。

(関西テレビ「newsランナー」2025年7月28日放送)

野崎さんの新たな相撲人生が始まる
野崎さんの新たな相撲人生が始まる
関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。