7月30日の根室市花咲港。
漁船が岸壁から離れたわずか2分後…。海水が岸壁を超えました。
花咲港では、北海道内で最も高い80センチの津波が観測され、31日朝にかけても広尾町の十勝港で70センチの津波が観測されています。
「消防署の屋上に人がたくさん避難しています」(紺野由之カメラマン)」
30日、北海道内では14年ぶりに太平洋側沿岸に発表された津波警報。
最大で3万5000人あまりが高台や避難所に避難をしました。
不安が広がる中…30日午後8時45分、津波警報が注意報に切り替わりました。
釧路市の避難所では、注意報に変わったことを受けて安堵の様子で、避難所から自宅に帰る人も。
「私は全財産持ってきた。家の権利書とか薬も持ってきた。また地震の情報が出れば避難する」(釧路市民の夫婦)
「12時間ぐらい。離乳食持ってきていたので、マット敷いてもらってそこで食べさせられた。帰れるのでほっとしてるけど、まだ注意して準備して逃げられるように」(赤ちゃん連れの母親)
「釧路幣舞公園からの釧路川。潮位の大きな変化はありません」(本貴憲カメラマン)
避難所となっていた函館市内の高校では、市民らが一夜を明かしました。
「夜中に帰られないでしょ。暗いし」(函館市民の90歳女性)
「私たちアメリカに住んでいるので里帰り。孫は初めて来て、初めて津波。(宿泊場所が)真ん前海ですからすごい心配で。電車も動いてなかったし、とりあえずこちらに」(函館に帰省中)
北海道全体では、約660人が避難所で一夜を明かしました。
また、交通機関への影響も続きました。
「JR函館駅です。運転再開後のJRの切符を求めて長蛇の列ができています。しかし券売機では現在も販売が停止されている状態です」(阿部空知記者)
JRは機材繰りなどで、函館線や室蘭線など9区間で始発から運転を見合わせに。
運転再開を見越して2時間前から並んだ人も。
「まさか電車も動かないとは思わなかったので。とりあえず新しい特急券を買って、エスコンに行きたい」(2時間前から並んだ観光客)
特急30本を含む171本が運休となり、午後からは各方面と札幌を結ぶ特急は、運転を再開しました。
「本当はノロッコ号に乗ろうと思ったんですがきのうは一日ホテルに閉じ込められて。それでは7階に行きましょうって言って逃げた。生きて帰れてよかったです。また来年きます」(観光客)
また、津波の影響はフェリーにも…。
7月31日朝、次々と4隻のフェリーが苫小牧港に入港しました。
実は津波の影響で港への入港ができず、30日から沖で待機していたフェリーです。
苫小牧海保によると、乗客の体調を考慮し、乗客678人と自家用車だけを降ろす臨時の措置をとったということです。
「正直本当に戻れるか心配で怖かった」(下船した客)
この津波で、北海道内では厚岸町の避難所で1人が足の骨を折る重傷、13人が軽傷などの被害がありました。
北海道内に発表されていた津波注意報は、31日午後4時30分にすべて解除されました。