猛暑が続き、福井では7月30日までに平年のわずか10%しか雨が降っていません。この降雨量が極端に少ない影響が、さまざまな場所で出ています。農作物やゴルフ場の現状を取材しました。
  
まず訪れたのは、あわら市の坂井北部丘陵地にあるナシ農園。お盆前から特産の「幸水」の収穫が始まりますが、雨が少なく実の生育が心配されています。
  
宮川裕之記者:
「こちらの農園では7月はほとんど雨が降っていないということです。 実を大きく育てるため、例年よりもこまめに実を間引くなど工夫をしています」
   
生産者は「7月は特に実が大きくなる時期なので何とか木が枯れないように、実が割れないように、けっこう苦労しています」と話します。
  
農園には15品種・650本以上のナシの木があり、限られたスタッフで週2回は全ての木に水が行き渡るよう計画的に水やりを行っています。
 
それでも…「本当はもっと水をあげたいが、ギリギリ…雨の方が確実に全ての木に水が行きわたるので、雨が降ってほしい」と空を見上げます。
   
実は、2024年も猛暑の影響を受け実が小さくなってしまったが反省があります。この経験を生かし、今年は早い段階からこまめに間引きするなど大きく実らせる工夫を重ねています。
 
「(味・品質は)大丈夫だと思う、いまのところは。少しでも良い実に育つよう精一杯作業を続けたい」
       
影響は別のところでも―
   
猛暑の影響を直に受ける、葉物野菜です。JA福井県の福井営農経済センターによると、福井市内では10年ほど前はホウレンソウをハウスで生産していましたが、ここ数年は暑さのため種をまいても芽が出ず「種を捨てている」ような状態とのことです。
  
より暑さに強いコマツナに変えて生産していますが、こちらも直射日光が苦手なため細く育ってしまい、収量は目標の5分の1程度となっています。資材の高騰もある中で追い打ちをかけるような猛暑と少雨の影響は大きいということです。
  
一方、日本海を望む人気コース、あわら市のゴルフ場は、猛暑にもかかわらず例年通りの客足で連日にぎわっています。
 
しかし、記録的な暑さの影響でゴルフ場にも異変が。
  
西健介記者:
「こちらのゴルフ場、グリーンは青々としていますが、スプリンクラーの届かない範囲は少し枯れ気味です」
 
猛暑に加え、雨が少ない今年の夏。芝をきれいに保つためには並々ならぬ努力が必要だといいます。
 
営業を終えた夜間には、スプリンクラーでの散水が欠かせません。また、厳密な水の管理が求められるグリーンは、散水量を調整する必要があり、この夏はベテランのスタッフに水やりを任せています。
 
ただ、記録的な猛暑で芝の維持にも限界はあるといいます。
 
岸研司社長は「本当に暑い日が続き、雨が降らないため困っている。グリーンとフェアウェイは緑を保っているが、スプリンクラーが届かない範囲のラフなどの一部は少し枯れ気味になっている」と話します。
  
また、熱中症対策も欠かせないといいます。「客には氷をフリーに取ってもらえるように配慮している。 温度と湿度、輻射熱を考慮した“暑さ指数”を計測する計測器を4台入れ、注意喚起をしている」
 
こうした対策により、現在のところ熱中症になる客はいないということです。

福井テレビ
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