SNS映えを意識した過剰すぎるサービス。
客が「驚きの動物」と過ごすモーニングコールやティータイムが、中国で物議を醸しています。
スタッフの誘導で室内を歩くのは、愛らしい表情が特徴のレッサーパンダ。
たどり着いた先は、客がいるホテルのベッドルームです。
中国・重慶市にある高級ホテルの一室で、レッサーパンダによる“出張モーニングコール”が行われていたのです。
1泊3万3000円ほどから利用できる、“客寄せパンダ”ならぬ“客寄せレッサーパンダ”ともいうべきこのサービス。
中国のSNSで話題を集め、2024年辺りからこの珍しい「モーニングコール」の動画がいくつもアップされていました。
ただ、映像をよく見ると、餌を持つ客の手のひらにレッサーパンダが飛びつき、あわや流血の事態になりそうな、ヒヤッとする場面もありました。
客:
うわ…痛い。
スタッフ:
あらら…ちょっと手が赤くなってますね。でも大丈夫、皮は破れていませんから。
心配の声を集めるのは人間だけではありません。
スタッフ:
エサは小さくして与えてください。今日はこの子、8つの部屋を回らないといけないのよ。
こうしたレッサーパンダの働き方を見たネットユーザーからは、「なんて無茶なことを!商売道具として扱うなんて!」との声が。
IUCN(国際自然保護連合)から、絶滅危惧種に指定されているレッサーパンダ。
中国国内の報道によると、事態を重く見た地元当局が6月、ホテル側に直ちにやめるよう指示する事態になったといいます。
しかし、中国での動物による不適切ともいえる顧客サービスは他にも。
中国・山西省の飲食店では、2万円ほどする「アフタヌーンティーセット」の一部として、ライオンとの触れ合いサービスが行われていました。
SNSを見ると、テラス席では女性客がいとおしげにライオンの赤ちゃんをなで、別の女性客は、抱きかかえたライオンに頬を寄せてキスまでしています。
こちらにも批判が広がり、当局が緊急に調査に乗り出していると中国国内で報じられています。
これらの映像を見た専門家は、動物愛護上、一概に悪とは言い切れないとしながらも、いくつかの問題点を指摘します。
アジア動物医療研究センター・パンク町田センター長:
(Q.レッサーパンダのモーニングコールは?)野生の個体を守るための保護資金等に活用できなければ、ただの客寄せになる。(Q.ライオンとのティータイムについては?)抱っこしてる人たちは下手すぎるので、レクチャーをちゃんとして触れあわせるべき。抱き方が不安定だと、襲う気がなくても人間がけがしたり、洋服が破れる恐れがある。