人気のカンフー映画などで知られる中国武術の1つ“少林拳”。
少林拳発祥の地とされる寺が発表したのは、“少林CEO”の異名を持つ大物住職の大スキャンダルでした。

中国・河南省にあり、世界遺産にも登録されている嵩山少林寺。

寺は今回、トップを務める釈永信住職が寺の資産を横領した疑いで調査を受けていると発表したのです。

横領だけではありません。

仏教の戒律に違反して、長年にわたり多くの女性と不適切な関係を持ち子供もいたというのです。

少林寺・釈永信住職:
(少林拳は)繰り返し稽古を重ねることで心と体が一体となり、雑念のない状態に達することができ、心身の健康に積極的な効果をもたらします。

今から19年前、ロシアのプーチン大統領が訪れた際には、少林寺の顔として案内役を務め少林寺ならではの演武で楽しませていました。

経営学修士(MBA)を取得している釈氏は、世界各地で“演武ショー”を行うなどして一気に商業化を推進。

約1500年の歴史を誇る少林寺を、金のなるブランドへと変えたのです。

中国メディアによると、少林寺にはピーク時で年間420万人もの観光客が来場。
寺は入場料などで240億円以上を得たといいます。

大スキャンダルに揺れる中国の少林寺。

中国のSNSでは、「何で今さら?もう十年前から明らかだったのに」「長年、誰が守っていたんだ?」などといったさまざまな声が上がっています。

中国仏教協会は「釈氏の行為は極めて悪質で仏教界の評判を損ねる」として、僧侶の地位を取り消すと発表しています。

フジテレビ
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国際取材部
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