北海道で災害級の暑さが続き、23日には美幌町で38.2℃を記録。帯広市の小学校では終業式がリモートで行われた。
農作物にも干ばつの影響が出ていて、冷房のない環境での作業や生活に支障が出ている。
猛暑と干ばつで小麦が収穫前倒しに
体温を上回る、災害級の暑さとなっている北海道。生活や観光、農業など大きな影響が及んでいる現場を緊急取材した。

23日、1学期の終業式を迎えた北海道・帯広市の北栄小学校。だが、児童たちがいるのは、体育館ではなく教室だ。
北栄小学校・佐藤晃啓校長:
今日の終業式は体育館が非常に高温になると思われるので、普通教室にはエアコンがついてるので、教室で(参加して)校長室から配信。

熱中症対策として、終業式はエアコンの効いた教室でリモートで行われた。
23日午前9時半の段階で、駅前の温度計が38℃を超えていたのは北海道・北見市だ。
古沢哲也記者:
朝からジリジリと強い日差しが照りつける北見駅前です。強い日差しのせいで、肌が焼かれるような痛みを感じます。風はほとんどありません。

朝から強い日差しが降り注ぎ、普段は家族連れでにぎわう公園の噴水もガラガラだ。
北見市民:
ちょっと異常だよね。下手したら40℃になるって言ってるでしょ。東京より暑いんじゃない?死んじゃう。
大空町女満別にある観光客に人気の撮影スポット、メルヘンの丘にも、まったく人影がない。

取材班:
(降りないで)車の中から(写真)撮ってますね。
この異常な暑さの影響は、北海道の名産品にも及んでいた。

大空町女満別で23日午前9時過ぎ、収穫されていたのは、秋蒔きの小麦だ。本来なら収穫は8月に入ってから始まるというが、早めに収穫されたのにはワケがあった。
女満別農協・安達直行理事:
小さい麦と細い麦が点々と入っていて、干ばつの影響で実が大きくならないで、そのまま枯れ上がってしまった状態。干ばつで細くなった“細麦(さいばく)”って呼んでる。

女満別では7月に入り、最高気温30℃を超える「真夏日」が、23日で16日目。降水量は平年の半分程度にとどまっている。

女満別農協・安達直行理事:
小麦が枯れ上がるっていうような、人間も作業がつらいような温度。野菜全般に干ばつ傾向なので、タマネギも芋も小玉傾向。
エアコン未設置の部屋で熱中症の疑いで死亡事故も
オホーツク海に面した北見市常呂の海水浴場では、23日午前10時過ぎ、週末に控えた海開きに向けて準備が進められていた。しかし、ここにも暑さの影響が及んでいた。

八木隆太郎アナウンサー:
海水浴場に隣接している手洗い場です。蛇口をひねってみます。お湯が出てきます。体感的には43℃〜44℃ぐらい。ちょっと熱めの銭湯に入っているかのような。全然水が出てきません。

23日、北海道で最も暑かったのは、最高気温38.2℃を観測した美幌町。午後1時過ぎ、町内の自動車整備工場では、汗だくで作業する様子が見られた。
長尾カーメンテナンス・長尾吉雄社長:
ここ3日ぐらいは体温超えるくらい、キツいですよ。
取材班:
冷房はある?
長尾カーメンテナンス・長尾吉雄社長:
ないですよ、冷房は。

暑さ対策として置かれていたのは3台の扇風機。加えて、23日は特例的な暑さ対策が取られていた。
長尾カーメンテナンス・長尾吉雄社長:
23日は余りにも40℃近い温度になるので、避難させているというか、11時半から14時までお昼取らせてます。

従業員に取らせたのは、普段より長めの昼休みだ。
北海道でもエアコン設置率が上がっているとはいえ、網走市内では室外機がなく、窓が全開になっている住宅が何軒もあった。

災害級の暑さがつづく北海道。23日、斜里町では90代の女性が熱中症の疑いで死亡した。消防によると、部屋にはエアコンがなく、窓も開いていなかったという。

暑さは24日も続き、帯広市では最高気温が40℃となる見込みで、引き続き熱中症に警戒が必要だ。
(「イット!」7月23日放送より)