FNNのカメラが宮城県の海岸で捉えたのは、大量に漂着したカキの殻です。
2025年の海開きを中止に追い込んだ厄介者は、どこからやってきたのでしょうか。

現場は、静かな波が押し寄せる宮城・石巻市にある長浜海岸です。

例年7月中旬ごろに海水浴場として開放されてきたこちらの海岸。
しかし2025年は、砂浜が広い範囲にわたって真っ白になっています。
打ち揚げられているのは大量のカキ殻です。

割れた殻は鋭くとがっているため、素足で踏むとけがをする恐れがあります。

こうした状況などを踏まえ、石巻市は海開きの中止を決定したのです。

しかし、地元の人からは嘆きの声が聞かれました。

近隣住民は「子供もいるので一緒に泳げない。遊ぶところが減るのはショックですね。(カキ殻を)取ってもらえるなら一番ありがたい」と話します。

石巻市によると、市内にある海岸でこの現象が確認されたのは長浜海岸だけ。
一体なぜ大量に漂着したのでしょうか。

その原因について、石巻市産業部観光政策課・内藤昌利課長は「おそらく自然現象だと思うが、養殖のカキ等が風・潮の流れ等で流れついたものなのかなと」と話します。

石巻市は宮城県内でもカキ養殖が盛んな地域のため、海が荒れた際などに養殖施設から剥がれ落ちたカキが流れ着いた可能性があるといいます。

また、殻の取り扱いについて内藤課長は「なかなか市の方でも、一般の廃棄物として回収できない。清掃活動の中でも回収はできない物となっているようです」と説明しました。

そして、海開きの中止を決めた理由については、「カキの殻で安全が確保できていないことに加え、海水浴客の減少も考慮した」としています。

仙台放送
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