世界的な建築家、丹下健三氏が設計したことで知られ、老朽化などを理由に解体が決まっている高松市の旧香川県立体育館ついてです。建築家らで作る団体が保存・活用に向けた協議を始めるよう香川県知事などに申し入れたと発表しました。

香川県の池田知事と県教育委員会に対し申し入れを行ったのは、建築家らでつくる団体、旧香川県立体育館再生委員会です。申し入れでは、旧県立体育館は、世界的な建築家、丹下健三氏が設計した国際的にも貴重な文化遺産で、地域資源として次の世代に継承すべきとしています。そのうえで、買い取りなどによる保存と活用に向けた具体的な協議を開始するよう求めています。

団体の案では、民間の資金で耐震改修を行い、ホテルとして再生させるとしています。費用は30億円から60億円と試算していて、すでに調達のめどは立っているということです。

(旧香川県立体育館再生委員会 建築家・長田慶太委員長)
「ホテルとしてインバウンドなど旅行客を受け入れながら、県民も利用できる両者が混ざり合うような交流施設になればいい」

1964年に完成した旧香川県立体育館は、老朽化と耐震不足の問題から県が解体を決め、2025年度予算に解体工事費約10億円が計上されています。申し入れを受け池田知事は、7月22日の定例会見で次のように述べ、解体方針に変更はないとの考えを示しました。

(香川県 池田豊人知事)
「提案については具体的なものではないという認識。安全確保のため予定通り解体について進めていきたい」

団体によりますと、これまでのところ県などからの返答はないということで、早ければ7月中に、解体や協議開始の賛否についての県民へのアンケートを実施するとしています。

岡山放送
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