7月20日に投開票が行われた参議院議員選挙。現職と新人あわせて4人の争いとなった熊本選挙区では自民党・現職の馬場成志さんが3回目の当選を果たした。それぞれの候補者の動きをまとめた。

馬場成志氏が(自民・現)が3選決める

自民党・現職の馬場成志さんは32万8373票を獲得。立憲民主党・新人の鎌田聡さんに6万票あまりの差をつけるなど新人3人を破り3回目の当選を果たした。

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 馬場 成志氏(自民・現) 328,373
  鎌田 聡氏(立憲・新)  267,273
  山口 誠太郎氏(参政・新)200,221
  立花 勝樹氏(諸派・新)  17,708

馬場氏「熊本を災害にも経済にも強く」

馬場さんは党所属の国会議員や県議、市町村長のほか、推薦する公明党や約200の団体の支援を受け、県内各地で組織戦を展開。選挙戦では「台湾の半導体製造大手TSMCの進出など、熊本のいい流れを止めてはいけない」などと、自公政権の継続を訴えた。

馬場さんは「今回の戦いは逆風の中で始まって、みなさんの中でも、ものすごく心配してもらいながらの戦いだった。これからいただいた任期を、しっかりと熊本のため国のために働いていきたいと思う」と述べた。

馬場さんはその後、TKUの開票特別番組に生出演。3期目の意気込みを「国会運営はものすごく厳しいものになってくると思うが、ただ私は今まで議院運営の仕事ばかりやってきたので、野党にしっかり理解いただけるような、これから政権がどうなるかというのはあるがやっていきたい。それと熊本に関しては災害からの復興など含めて、熊本を強く、災害にも強く、経済的にも強くということを、しっかりレールに乗せられるように働いていきたい」と述べた。

立憲・鎌田氏と参政・山口氏の敗戦の弁

一方、初の国政選挙に挑んだ立憲民主党・新人の鎌田聡さんは一歩及ばず、「私の力不足ということに尽きる。次なる戦いに向け前を向いて進んでいきましょう」と敗戦の弁を述べた。

また、鎌田さんは「自民党政治、石破政権がやっていることについて、国民生活を向いていないということへの共感は、だいぶ得られたと思う。一方で参政党にも票が分かれ、こちらに伸びがなかったのかな」と、『反自民』の受け皿になり切れなかった点を挙げた。

鎌田さんは今後について「県議に戻ることはない。衆議院の解散総選挙が行われることになっても、現時点では出馬は考えていない」と述べた。

また、参政党・新人の山口誠太郎さんは、当初陣営が目標に掲げていた『10万票』の約2倍の票を獲得。全国で躍進した党の勢いを熊本でも示しましたが及ばず、「『日本を守ってほしい、変えてほしい』と私に投じてくれた方々の声を国政に届けることができないのは非常に悔しい思いでいっぱい」と述べた。

一夜明けた21日朝には、熊本市中央区で辻立ちをし、すでに次を見据え、「次の戦いは始まっている。どのタイミングでどこ(の選挙)に出るかはまだ決まっていないが(政治活動は)続けていきたい」と述べた。

「1対1ではなく三つどもえ」「全力で支援」

自民党県連は21日に参院選の総括会議を開き、前川收会長が「逆風の中でも所属する各議員が地元で頑張ったお陰で、素晴らしい戦いができた」とねぎらった。

その後の会見で前川会長は、参政党の候補者が熊本県内で20万票以上を獲得したことについて驚きを示しつつ、「1対1の戦いではなくて三つどもえの戦いに結果としてなっていた。途中で気づいたが、驚きの言葉通りここまで取るかと。SNSの戦いが完全に選挙のツールになった。我々も積極的に研究し取り込んでいかないといけない」と、選挙の戦い方が変わったとの認識を示した。

また石破総理が続投を表明したことを受け、「いまの我が国が置かれている状況、例えばアメリカとの関税交渉が続いていて、この瞬間にやめると言えば求心力がなくなり、日本が漂流してしまうと受け止めている。しかるべき時期を見ながら、国益にならないことではなく、我が国のことを思いながら、きちっとした対応をするだろう」と述べた。

一方、馬場さんは21日に当選後のあいさつに公明党県本部を訪れ、公明党県本部の城下広作代表は「馬場さんが落ちることはあってはならないということで、全力で支援した。公明党の支援は、重たいものがあったと、効果を発揮したと認識している」と述べた。

国民民主党・社民党・参政党の反応

国民民主党県連の島津哲也幹事長は「連合の代表者である鎌田さんを担ぐことができたことは非常に良かったと思うが、国政に送ることができなかったのは、一緒にやってきた仲間として非常に残念」と述べた。

また、鎌田さんを推薦した社民党県連の今泉克己代表も「野党もそれぞれ結集して県民の皆さんに広く(鎌田さんへの)支持を浸透させることを目指してきた。大きなうねりというものを、鎌田さんを先頭につくることができた思う」と述べた。

また、参政党県連の髙井千歳会長は21日に会見を開き、全国的な党の躍進について「大変身が引き締まる思い。国民の民意、物価高で生活が苦しいことや外国資本による土地の買収などへの訴えが響いて、この結果に結びついたと思う」と語った。

また、熊本での戦いについて「都市圏を中心に若い世代やこれまで政治に無関心だった層から多くの支持を得られた」と分析。その一方で、「地方での信頼が及ばなかったこと」を敗戦の要因に挙げ、党所属の地方議員の数を増やしていくことも必要とした。

(テレビ熊本)

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