鳥取県警は18日、県内で2件の特殊詐欺被害があったことを発表しました。
SNSで勧誘された「副業」を通じて暗号資産を送金させられたケースと、パソコンの画面表示をきっかけに電子マネーを騙し取られたケースで、県警が注意を呼びかけています。
●SNS「副業」を装った暗号資産詐欺で483万円の被害
このうち鳥取県東伯郡に住む30代女性は、SNSで知り合った相手に指示されるままに暗号資産を送金し、483万円の被害に遭いました。
被害は、2025年5月から6月にかけて発生、女性が5月8日に、SNSで副業を探していたところ「内職探している方いますか?データ入力で1日5分くらい」との投稿を見つけ、相手と連絡を取りました。
その後、紹介された「担当者」から指示を受け、専用サイトでデータ入力作業を行っていた所、作業中にチャット内で「リスクなくお金が増えるFXの元本保証プランがある」という話を見て、女性が興味を持ち連絡すると、「暗号資産を購入して指定アドレスに送金する必要がある」と指示されました。
女性は6月12日に270万円分の暗号資産を購入して送金。
その後、専用サイトで作業を行うと多額の利益が表示されたため、出金しようとしたところ、今度は「手数料が必要」と言われ、6月13日にさらに213万円分の暗号資産を送金しました。
しかしその後、「監査が入った。税金を納めないといけない」などと言われ連絡が途絶えたため、インターネットで調べたところ、詐欺被害に気づいたということです。
●パソコン画面の警告から電子マネー詐欺で73万円の被害
鳥取市内に住む70代男性は、パソコンに表示された「ウイルス感染」を装った画面表示をきっかけに電子マネーをだまし取られる被害に遭いました。
男性は6月7日に自宅のパソコンで動画サイトを視聴中、画面上の広告をクリックすると「あなたのパソコンはウイルスにかかっています」と表示されました。
画面に出ていた「010」から始まる14桁の電話番号に連絡すると、マイクロソフト社の職員を名乗る男から「エラーを直すには7万円が必要です。すぐに近くのコンビニへ行き、電子マネーを購入してその番号を教えてください。そうすれば、リモートで修理して、4万円は返金します」などと言われました。
男性は市内のコンビニエンスストアで7万円分の電子マネーを購入し、電話で番号を伝えました。しかし、その後も「エラーで番号を入力できなかった。別の電子マネーを購入して欲しい」などと言われ、指示に従ってさらに4回にわたり合計66万円分の電子マネーを購入。結果、合計73万円分の電子マネー利用権をだまし取られました。
鳥取県警は、これらの被害を受けて次のような注意点を呼びかけています。
●SNSで「簡単」、「お金が10倍になる」、「元本保証プラン」などとうたう副業は詐欺を疑うこと。
●「暗号資産を購入して指定アドレスに送金して」などと指示されたら詐欺の可能性が高い。
●パソコン画面に「ウイルス感染」などと表示されても慌てず、画面に表示された電話番号には絶対に電話しないこと。
●修理費として電子マネーの購入を求められたら詐欺なので絶対に応じないこと。
●電子マネーの番号を教えたり、番号を撮影した画像を送信しないこと。
●支払いを求められても送金したり、振り込む前に必ず警察に相談すること。